環境先進企業へ向けた取り組み

2019年度省エネ大賞授賞式の様子

省エネ大賞 経済産業大臣賞受賞

テイ・エス テックは、一般財団法人 省エネルギーセンターが主催する2019年度省エネ大賞において、経済性を兼ね備えた ZEBオフィスとして竣工した本社新社屋が評価され、最高賞にあたる「経済産業大臣賞」を初受賞しました。省エネ大賞は、事業者や事業場などにおいて実施した他者の模範となる優れた省エネルギーへの取り組みや、省エネ性に優れた製品並びにビジネスモデルを表彰する制度です。

また、本受賞にあたっては、2020年2月に経済産業省の牧原秀樹副大臣が本社を訪れ、新社屋におけるZEB導入事例などを視察されました。

  • ZEB:室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現し、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物
2019年度 省エネ大賞 ロゴ

CDP A-(マイナス)に選定

テイ・エス テックは、国際非営利組織CDP(Carbon Disclosure Project 本部:英国)が発表した気候変動に関する調査「気候変動レポート2019:日本版」において、温室効果ガス排出削減活動・情報開示の取り組みが優れているとして、リーダーシップレベルにあたる「A-(マイナス)」企業に選定されました。第13次中期経営計画において「ESG経営の基盤構築」を掲げ、気候変動対策として、グループ全体でLED・空調の更新、再生エネルギーの導入、省エネ型建屋への建て替えなどの設備投資、ISO50001の導入など、設備投資と運用の両面で取り組みを進めてきました。今後も、当グループ全体で持続可能な社会の実現への貢献を目指し、環境活動を展開していきます。

CDP ロゴ

本社新社屋の概要

2018年3月に竣工した本社新社屋は、「高効率化」と「上質なホスピタリティ」をコンセプトに環境や地域社会にやさしい建物となっています。太陽光発電センサーや稼働スケジュールプログラムを使用した空調・照明の効率稼働システムをはじめとする数々の省電力設備に加え、太陽光発電による再生可能エネルギーを最大限利用し、かねてより省エネに取り組んでいた旧社屋に比べて約40%の電力購入量を削減しました。また、雑用水などへの雨水再利用や敷地内の緑地面積の拡大などにも取り組みました。結果、年間エネルギー消費量は、一般のビルに比べ計画値で78%削減となり、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS※1)において“NearlyZEB※2”を達成し、省エネルギーのビルとして認証されました。運用1年目の実績値では、年間一次エネルギー消費量の基準ビル比86.9%削減を達成しています。さらに環境性能評価“CASBEE※3”でも最高評価のSランクを獲得しています。また、社内に設置したデジタルサイネージにより、当社屋の消費電力・ガス・水道使用状況を目標値・実績値とともにリアルタイムで表示し、社員の省エネ意識を啓発しています。

  • BELS: 国土交通省による「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」に基づき、新築・既存の建築物の省エネルギー性能を、第三者評価機関が評価し認定する制度
  • 認証ランク ZEB: 年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物
    Nearly ZEB: ZEBに限りなく近い建築物として、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物
    ZEB Ready: ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化および高効率な省エネルギー設備を備えた建築物
  • CASBEE: 省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建築物の品質を総合的に評価するシステム
本社新社屋
撮影:小川重雄写真事務所 小川重雄

受賞に関する主な取り組み

今回の受賞は、ZEBの課題であったコスト面に関し、テイ・エス テックのプロジェクトチームと株式会社竹中工務店(設計・施工)が一体となって、汎用性やコストパフォーマンスに優れた省エネ技術の最適な組み合わせを一から検討し、快適性と省エネ性を両立しながらも、特別な技術や高額設備を導入せずに経済的にZEBを実現したことで、その波及性が高く評価されたものです。

また、竣工後も両社で毎月のエネルギーデータを分析し、空調や照明をはじめとする設備の各種設定にフィードバックするなど、より効率的な運用となるよう継続的なエネルギーマネジメントに取り組むことにより、設計時の目標値を超える優れた省エネ効果を達成したことも評価されました。

ISO50001について

ISO50001は、2011年6月に発行されたエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の国際規格であり、エネルギー使用および効率を可視化し、ムリ・ムダ・ムラの解消による改善活動などを通じて、エネルギーパフォーマンスの向上、すなわち省エネルギー、エネルギーコスト削減につながる規格構成となっています。

ISO50001とISO14001は、規格構成が類似しているため、ISO14001を導入している組織がISO50001を組み込むことで、定量的データに基づくパフォーマンスを重視する考え方を一層浸透させ、環境マネジメントシステムも活性化する相乗効果が得られます。

ISO50001の取り組み

テイ・エス テックは1999年よりISO14001の活動を開始していますが、パリ協定やSDGsなどの世界的にCO2排出量の削減が求められる中、削減活動をさらに効率的かつ加速度的に進めるため、2019年3月にISO50001を国内全事業所で認証取得しました。

管理手法とテイ・エス テックの運用ノウハウをまとめた「Global EnMS Guideline」を作成し、米州と国内関係会社への展開を皮切りにグループへの展開を進めています。各国・地域との文化や考え方、管理レベルの差に配慮しながら、定着化に向けて、現場との連携を取りながら粘り強く推進していきます。

認証証