中期経営計画

2030年に向けた目指す姿

財務目標

※表は左右にスクロールできます。

第14次中期 実績 第15次中期 目標 2030年 目標
売上収益(億円) 4,092 4,800 7,000
営業利益(億円) 152 440 680
営業利益率 3.7% 9.2% 9.7%
ROE 1.8% 8.5% 10.0%

株主還元

当社は、株主の皆さまに対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置付けております。成長投資による持続的成長と株主還元拡充でPBR1倍の早期達成を目指すため、以下の株主還元方針を定めています。

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基本方針 業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施
配当 第15次中期末 DOE※ 3.5%以上に向け安定増配
自己株式取得 第15次中期末 200億円規模の機動的な自己株式取得と適切な消却
  • DOE(株主資本配当率)=配当総額÷株主資本(親会社の所有者に帰属する持分)

マテリアリティKPI

当グループは、持続可能な社会の実現に向け、優先的に取り組んでいくマテリアリティ(重要課題)に対し、2030年時点でのあるべき姿を指標化したサステナビリティ目標を策定しています。

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第14次中期 実績 第15次中期 目標 2030年 目標

社会

研究開発費に占める 革新技術開発費比率 2021年3月期比
+2.6%
2021年3月期比
+3%
2021年3月期比
+10%
シートサプライヤーIQS評点 8.8P 7.0P 2.0P(高位安定)

環境

CO2排出量削減率 2021年3月期比
△16%
2021年3月期比
△25%
2021年3月期比
△50%
廃棄物削減率 2021年3月期比
△16%(全量)
2021年3月期比
△25%
2021年3月期比
△50%
取水量削減率と
排水による環境影響
2021年3月期比
△13%(全量)
2021年3月期比
△15%
2021年3月期比
△50% 環境影響 “0”
テイ・エス テック基金
(マッチングギフト制度)の創設
制度調査構想検討 寄付制度の創設 寄付制度の創設

企業基盤

エンゲージメントレーティング C BB AAA
サプライヤーサステナビリティ
ガイドライン遵守率
97%
(国内取引先126社)
100%
(国内外取引先)
100%
(国内外取引先)
多様な人材の管理職比率 32.5% 33.3% 35%
コーポレート
ガバナンス・コード遵守率
100% 100% 100%

第15次中期経営計画 ー2024年3月期~2026年3月期ー

重点戦略

2030年ビジョン達成に向けたさらなる成長を果たすべく「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」からなる9つの重点戦略に取り組んでいきます。また、第13次中期から取り組んできたESG経営の集大成とすべく持続可能な社会へ貢献し、全てのステークホルダーの皆さまから存在を期待され「喜ばれる企業」となることを目指します。

経営
方針
ESG経営の実現

成長
戦略

重点戦略①
キャビンコーディネート
機能の獲得

重点戦略②
新事業のさらなる拡大

重点戦略③
主要客先シェア向上

地域
戦略

重点戦略④
北米収益体質のV字回復

重点戦略⑤
中国事業戦略の再構築

重点戦略⑥
欧州新事業の戦略的拡大

機能
戦略

重点戦略⑦
サプライチェーンの再構築

重点戦略⑧
環境技術開発の推進強化

重点戦略⑨
高効率生産体制の構築

人事 ・ 財務戦略 / 品質No.1評価の獲得 / サステナビリティの浸透・定着

成長戦略

重点戦略① キャビンコーディネート機能の獲得

EV化や自動運転技術の進化など、自動車業界は劇的なスピードでビジネスモデルが変わり、事業環境の変化は加速度的に進んでいます。これをビジネスチャンスとし、さらなる事業成長を遂げるため、キャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対して新たな価値を提案できる企業への変革を加速させます。

上:次世代車をイメージしたシートに座っている人の写真。ゴーグルを装着し、映像を楽しんでいる。 左下:製品展示会においてシートに座っている2人が会話をしている様子。 右下:製品展示会においてモニターの映像を見せながら技術をアピールしている社員と、説明を熱心に聞いている人。
魅力あるキャビン商品・技術の創出
  • 他分野との積極共創活動
  • 人間工学など基礎研究強化
システム・ソフトウェア開発力強化
  • シート統合ECU搭載
  • 高度エンジニアの育成

先行開発を通じた
新技術のいち早い量産車採用へ

重点戦略② 新事業のさらなる拡大

ホンダグループ以外の顧客獲得に向けて設立された新事業統括本部の指揮の下、全世界のお客さまをターゲットとした、戦略的な営業活動を展開していきます。お客さまごとのニーズを見定めた開発・営業活動によりさらなる拡販を図っていきます。

ターゲット商権の戦略的受注展開
  • 既存受注機種の技術を生かした派生機種商権の獲得
  • 次世代技術の先行提案による将来機種の先行開発受注
新規客先の開拓
  • 新事業統括本部を中心とした各地域・本部の連携強化

2030年 売上収益に占める
新規顧客・新商権売上割合30%へ

重点戦略③ 主要客先シェア向上

ホンダグループのグローバルパートナーとしてのさらなるビジネス拡大を目指し、ホンダ向け四輪車用シートシェア向上を図っていきます。
魅力商品創出による顧客満足度の向上や、開発初期段階からの客先との商品共創、地域・機能本部連携や地域特性を活かした受注活動により、一層のシェア向上を目指します。

地域連鎖によるシート商権受注
  • シート商権未受注地域での商権獲得
  • 新たなパートナーシップ構築とそれを活かした営業活動
部品商権受注の拡大
  • 共通フレームの確実な受注
  • 軽自動車用フレーム受注に向けた開発強化
  • 部品競争力強化による受注拡大

着実な商権獲得により
ホンダ向け四輪車用シートシェア70%へ

地域戦略

重点戦略④ 北米収益体質のV字回復

米州地域は、その市場の大きさからグループ一の売上収益を計上する一方、変則生産を受けた労務費や生産ロスの増加、原材料価格の高騰など、さまざまな要因から収益性が低下しています。これらを払しょくし、収益のV字回復を図るため体質改革に取り組みます。

産業用ロボットがシートフレームを持ち上げている様子。
変則生産・コスト増に負けない徹底した生産の自動化
仕様・材料・工程系列の最適化
によるコスト競争力強化

着実な商権獲得により
ホンダ向け四輪車用シートシェア70%へ

重点戦略⑤ 中国事業戦略の再構築

中国地域は、現地EVメーカーの台頭による自動車販売シェアの変化やお客さまの購買戦略の変化により、事業環境はより厳しいものへと変わっています。そのような中でも、当グループの収益性を支えるべく、さらなる高収益な事業体制の構築を図ります。

シート生産ラインにおいて社員がシートフレームに部品を組み付けている様子。
新規顧客獲得を見据えた新たなパートナーシップ構築
原価低減・調達リスク低減に向けたローカルメーカー採用拡大

既存ビジネスにとらわれない取り組みにより
新たな事業体制を構築

重点戦略⑥ 欧州新事業の戦略的拡大

新たに設立したポーランドの生産拠点はその立地上、ドイツ、チェコ、スロバキアなどに点在する欧州自動車メーカーへ向け、価格競争力のある製品供給が可能です。高い部品競争力を活かして、欧州自動車メーカーに向けた一層のビジネス拡大を目指します。

ポーランド生産子会社の外観写真とミニバン用のグレーの3列目シートの写真。
ポーランド拠点をキーステーションとした営業展開
部品採用拡大に向けたトリムカバー生産会社の新設

欧州自動車メーカーとのビジネス拡大

機能戦略

重点戦略⑦ サプライチェーンの再構築

部品供給体制の安定化のため、商流やハイリスク部品の可視化による調達安定性の向上はもちろん、複雑化した工程系列のスリム化や現地調達化による原価低減、取引先と連携したCO ₂排出量削減など、収益性を兼ね備えたサステナブルなサプライチェーンの構築を目指します。

世界地図上にグローバルマザーである日本、米州、中国、欧州、アジアの5つが円で繋げられたイメージ
リスクの可視化と現地調達推進による安定性と収益性両立 お取引先と連携したサプライチェーンCO₂排出量(Scope3)削減

持続可能なサプライチェーンの構築

重点戦略⑧ 環境技術開発の推進強化

これからの事業成長には環境負荷を低減する環境技術が重要となります。従来から推進する軽量化技術はもとより、サステナブルマテリアル※への置き換え技術の構築を図ります。

  • 継続的に利用可能な資源から得られ、ライフサイクル全体で環境への影響が小さい原材料
サステナビリティのイメージ
バイオマス材・環境適用鋼材の製品適用に向けた技術確立
リサイクルを想定した素材選択や構造設計による資源循環

環境技術の早期製品化を実現

重点戦略⑨ 高効率生産体制の構築

徹底した自動化やデジタル技術による自工程保証の強化など、生産ラインのさらなる進化を図り、労働生産性を高めていきます。また、サステナビリティへの取り組みとして、電力使用量の削減や環境負荷を低減する生産技術の導入を推進します。

シートのシートベルトバックルを取り付ける産業用ロボットアーム
生産自動化やAI導入による生産ラインの持続的進化
省エネ技術の活用などによる持続可能なモノづくりの実現

競合他社を凌駕する生産体質構築

財務戦略

資本構成の目指す姿

当グループはリーマンショックや東日本大震災、昨今の新型コロナウイルス感染拡大など、厳しい事業環境下においても着実にキャッシュを創出できる収益体質を構築してきました。その結果、2023年3月末時点においてグループ全体で1,329億円のキャッシュを保有し、連結自己資本比率78%と極めて高い安全性を確保しています。しかし、2030年ビジョンを達成し、当グループがステークホルダーの皆さまから喜ばれる企業であり続けるためには、これまで以上に資本を効率的に活用し、成長速度を加速させていく必要があります。

キャッシュの創出と使途

当グループは、盤石な財務基盤を持つ一方、積み上げた資本をいかに効率的に活用していくかが重要な課題であると捉えています。財務安全性は維持しつつ、資本構成を改善し、キャッシュをより有益な資産へアロケーションしていくべく、重点戦略に基づく積極的な成長投資を行っていきます。