環境に関する取り組み
方針
テイ・エス テックグループは、企業理念の一つである「喜ばれる企業」実現のため、自動車内装品製造を中心とする企業活動のあらゆる面で、地球環境保護に配慮した環境負荷低減に努め、持続可能な社会づくりに貢献します。
環境行動指針
-
法的およびその他要求事項の遵守
環境関連法令・環境基準等の遵守並びに適切な化学物質管理等により、環境汚染の未然防止、生物多様性・生態系の保護に努める。 -
環境負荷の低減
製品の開発から調達・生産・物流・販売・廃棄・再利用の過程におけるライフサイクルアセスメントに基づき、サプライチェーン全体で協調して省エネルギー・省資源化に努めることで、気候変動影響の緩和、持続可能な資源循環型社会を目指す。 -
環境マネジメントの継続的改善
環境・エネルギーマネジメントシステムに基づく環境目標を設定し、定期的な見直しを行うことで、環境・エネルギーパフォーマンスの継続的改善に努める。そのために必要な情報・経営資源を用意し、エネルギー効率を向上させる製品・設備の活用にも努める。
2018年10月 取締役会決議(改訂)
環境マネジメント強化への取り組み
当グループは、国内のみならず、世界各拠点で環境マネジメントシステムISO14001の認証を進め、グループ一丸となって継続的な環境負荷の低減に努めてきました。
さらなるCO2排出量の効率的な削減を目的に、2019年3月期にテイ・エス
テック国内全事業所においてエネルギーマネジメントシステムISO50001を導入し、2019年3月に認証を取得しました。環境負荷低減はもちろん、資源効率性向上によるコスト削減に向け、今後も環境・エネルギーマネジメントの強化に努めます。
ISO14001 認証取得拠点
地域 | 拠点 |
---|---|
日本 | テイ・エス テック株式会社 |
九州テイ・エス株式会社 | |
サン化学工業株式会社 | |
米州 | TS TECH AMERICAS, INC. |
TS TECH USA CORPORATION | |
TS TRIM INDUSTRIES INC. | |
TRI-CON INDUSTRIES, LTD. | |
TS TECH ALABAMA, LLC. | |
TS TECH CANADA INC. | |
TRIMONT MFG. INC. | |
TS TECH INDIANA, LLC | |
TST MANUFACTURING DE MEXICO, S. DE R.L. DE C.V. | |
TS TECH DO BRASIL LTDA. | |
中国 | 広州提愛思汽車内飾系統有限公司 |
広州徳愛康紡績内飾製品有限公司 | |
広州広愛興汽車零部件有限公司 | |
寧波提愛思汽車内飾有限公司 | |
武漢提愛思全興汽車零部件有限公司 | |
アジア・欧州 | TS TECH TRIM PHILIPPINES, INC. |
PT. TS TECH INDONESIA | |
TS TECH (THAILAND) CO., LTD. | |
TS TECH (KABINBURI) CO., LTD. | |
TS TECH SUN INDIA PRIVATE LIMITED | |
TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED | |
TS TECH (MANDAL)PRIVATE LIMITED |
- 連結子会社38社中25社が認証取得
ISO50001 認証取得拠点
地域 | 拠点 |
---|---|
日本 | テイ・エス テック株式会社 |
アジア・欧州 | TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED |
- 連結子会社38社中2社が認証取得
環境内部監査
各拠点の環境・エネルギー負荷の状況や、過去の監査結果などを踏まえ、1年に1回各拠点にて環境・エネルギーに対する監査プログラムを策定しています。内部監査では、環境・エネルギー負荷低減施策とその効果や環境法規制の遵守、環境に関するISO国際規格の運用状況などを監査しています。監査で不備や不適合となった事項は、迅速かつ適切に是正を促し、環境管理レベルの向上を図っています。
環境関連法令の遵守
当社では、環境・エネルギーマネジメントシステムにおいて事業所ごとに「法的及びその他要求事項一覧」を作成し、毎年期初に遵守すべき法令や要求事項の見直しを行っています。また、半期に1回それらの遵守状況評価を行っており、2020年3月期から2023年3月期にわたって、環境関連法規制違反となる事案は発生していません。
環境法規制の遵守状況(単体)
2020年3月期 | 2021年3月期 | 2022年3月期 | 2023年3月期 | |
---|---|---|---|---|
環境に関する違反(件) | 0 | 0 | 0 | 0 |
環境に関する罰金(円) | 0 | 0 | 0 | 0 |
環境・エネルギー管理教育
当社では、ISOマネジメントシステムを通じて、社員へ環境やエネルギー管理に関する各種教育を行っています。ISO14001の観点では、環境負荷低減や汚染未然防止などを目的とした環境教育を実施しています。ISO50001では、各拠点のエネルギー管理を担当しているチームに対して、一般財団法人省エネルギーセンターによる各生産設備に合わせた省エネルギー講習を実施しているほか、設備運用改善に視点を置いた独自の省エネルギー診断も導入しています。
2022年からは専門知識を持つ人材の育成強化の観点から、インバーターを活用したモーターや設備機器の省エネルギ―化をテーマに、専門家の知見を取り入れた効果的な省エネルギー手法の習得を図り、海外を含めたグループ全社に水平展開を行っています。
エネルギー管理の基本的な考え方はもちろんのこと、設備の管理方法について深く学ぶことで、より効果的な施策を生み出すきっかけとしています。今後は、各拠点において省エネルギー化推進の中心となる人材の育成や、継続的に教育を実施することで社員の環境意識・スキル向上につなげていきます。
事業活動による環境影響と取り組み内容
事業活動に関わる地球環境影響を各領域で洗い出し、環境負荷低減に努めています。
開発軸での対応
環境負荷低減に最も貢献できる技術として、製品の軽量化に注力しています。例えば、シート重量の多くを占めるシートフレームでは、ニーズの変化に合わせ、安全性や快適性を向上させつつ、さまざまな軽量化技術を投入しています。2020年モデルのホンダFITに採用されたシートフレームは、超高張力鋼板や薄板接合技術の採用拡大により、従来の主力フレーム比約28%の軽量化を達成しており、世界中で多くの車種に採用されています。
軽量化技術に加え、CNF(セルロースナノファイバー)など植物由来のバイオマス材利用技術による製品含有CO2量低減にも注力しています。石油由来材料で造られた従来のドアトリムに対し、植物由来のバイオマス材(樹脂・表皮)を用いることで、製品含有CO2量を60%低減することに成功しており、量産品への適用を目指して研究を続けています。
また、今後のEV化を視野に、電費(航続距離)向上に貢献する低電力で効率的に加温するシートヒーターシステムや、省電力に貢献する空調シートの開発に取り組むなど、さまざまな角度からカーボンニュートラルに寄与する技術開発を推進しています。
生産軸での対応
生産部門では「持続可能な“モノづくり”に進化させ、グローバル高効率生産体制を構築する」という方針の下、競争力があり、かつ環境に優しいモノづくりを進めています。主な取り組みとして、生産ラインの自動化加速を図るとともに、省エネルギー技術の標準化、次世代省エネルギー技術の導入、回生エネルギー※活用により、電力使用量の削減を図っています。
電力削減事例としては「からくり」の機構を活用し、エネルギーを消費することなく作業の自動化を図っています。2022年11月には、日本プラントメンテナンス協会主催の「からくり改善くふう展」に、設備の排気エアを活用したからくりを出展し、パーツフィーダーコンテスト部門で銀賞を獲得しました。現在は、からくり装置から発電する手法など、回生エネルギーを利用した設備の開発を行うことで、さらなる環境負荷低減に取り組んでいます。
- 機器から生じる余剰エネルギーを電力に変換して再利用すること
環境に配慮した設備の導入
設備導入によるCO2排出量削減に向けた取り組みとして、各拠点の建て替え時には、太陽光発電設備や雨水の再利用設備など環境に配慮した設備を導入し、CO2排出量や地下水の取水量を削減しています。また、外部倉庫などの機能を集約する生産再編なども併せて実施することで、物流ロスの削減にも積極的に取り組んでいます。2023年3月期には、太陽光発電設備を浜松工場・鈴鹿工場へ新規導入し、埼玉工場においても増設をしました。
2022年6月に増築した米国TS TECH INDIANA, LLCでは、蓄電機能を持った太陽光発電設備を設置し、太陽光発電とグリーン電力証書の併用により電力によるCO2排出量をゼロとするなど、世界中で取り組みを加速させています。
- Nearly ZEB:ZEBに限りなく近い建築物として、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建築物