取締役会
取締役の選任
取締役候補者については、指導力、決断力、先見性および企画力に優れていること、取締役としてふさわしい人格および見識を有することなどを選任要件としており、現職取締役の再任にあっては、合理的な理由なく年間の取締役会への出席率が85%未満でないことを、取締役規程に定めています。さらに、候補者の選任に際しては、当グループの経営戦略や事業特性などに鑑み、当社取締役が有すべき経験や専門性を特定したスキルマトリックスを考慮することとしています。なお、取締役会は適切かつ迅速な意思決定および監督機能が果たせるよう、ジェンダーや文化的背景、国際性などの多様性に鑑みた上で、バランスの取れた体制を目指しています。
要件を満たし、各能力を有し取締役候補たり得るとされた者は、指名・報酬委員会において、適格性や取締役会全体としてのバランスなどを審議された後、取締役会に正式な候補者として答申されます。取締役会は当該答申内容および監査等委員会の見解を踏まえ取締役候補者を決議し、株主総会に上程することとしています。
スキルマトリックス
※表は左右にスクロールできます。
氏名 | 取締役が有する経験・専門性 | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
企業経営 | 国際事業・海外知見 | 財務会計 | 技術開発 | 製造・品質 | 環 境 | 営業・調達 | 人材開発・ダイバーシティ | 法務・リスクマネジメント | ||
経営戦略 | ||||||||||
保田 真成 代表取締役 社長
指
|
||||||||||
鳥羽 英二 代表取締役 専務執行役員
指
|
||||||||||
林 晃彦 取締役 専務執行役員 |
||||||||||
須﨑 康清 取締役 常務執行役員 |
||||||||||
内藤 浩 取締役 執行役員 |
||||||||||
荻田 健 取締役
指
外
独
|
||||||||||
松下 香織 取締役
外
独
|
||||||||||
関根 健夫 取締役 監査等委員 |
||||||||||
林 肇 取締役 監査等委員
指
外
独
|
||||||||||
中田 朋子 取締役 監査等委員
指
外
独
|
||||||||||
内藤 憲一 取締役 監査等委員
外
独
|
指指名・報酬委員会委員
外社外取締役
独独立委員
社外取締役の選任
当社では、当社の事業特性を踏まえた上で、独立した立場で経営に関するアドバイス、監督を行っていただくため、企業経営の豊富な経験を有する方、あるいはさまざまな分野で専門性を有する方を社外取締役として選任しています。
選任においては、会社法、会社法施行規則および株式会社東京証券取引所が定める独立性の基準を満たすとともに、当社で定める取締役規程および「社外取締役の独立性基準」に基づき判断しています。なお、当社を含む他の上場会社役員との兼職は、3社までと同規程で定めています。
氏名 | 選任理由 |
---|---|
荻田 健 | 製薬会社の経営に長年携わっており、経営者としての豊富な経験および幅広い見識に基づき、社外取締役として、当社経営に対して有益なご意見やご指摘をいただいています。これらの豊富な経験と見識を当社の経営に反映することで、今後も当社の経営の健全性確保に寄与していただけるものと期待し、社外取締役に選任しています。なお、2022年6月より当社の取締役会議長を務めています。 |
松下 香織 | 総合ITベンダーにおけるグローバルでの新規ビジネスや企業提携戦略の企画・推進、コンサルティング会社におけるダイバーシティ経営支援を通じた豊富な経験および見識を有しています。当社の多様性向上および経営の健全性確保に寄与していただけるものと期待し、社外取締役に選任しています。 |
林 肇 | 弁護士としての幅広い見識および豊富な経験を有しています。当社の監査等委員として、当社経営に対して適宜助言を行うなど、適切に監査をいただいています。引き続き、当社の経営の健全性確保および監査・監督に寄与していただけるものと期待し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
中田 朋子 | 豊富な海外経験および弁護士としての幅広い見識を有しています。当社の監査等委員として、当社経営に対して適宜助言を行うなど、適切に監査をいただいています。引き続き、当社の取締役会の多様性を高めるとともに、当社の経営の健全性確保および監査・監督に寄与していただけるものと期待し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
内藤 憲一 | 大手総合化学メーカーにおける財務会計、国内外営業、グループ会社における販売統括、会社経営、また、監査役としての監査業務を通じた豊富な経験および見識を有しています。当社の経営の健全性確保および監査・監督に寄与していただけるものと期待し、監査等委員である社外取締役に選任しています。 |
報酬決定方針
当社は、役員報酬について、継続的な事業成長の意欲を高めることができ、透明性と合理性が確保された報酬とすることを基本方針としています。
取締役会の諮問機関として、社外取締役を委員長とし、社外取締役3名、社内取締役2名で構成される指名・報酬委員会を設置しています。基本方針および社会情勢などを考慮した報酬水準や算定方法の見直し、報酬構成の改定、事業年度ごとの個々の取締役の報酬決定などに当たっては、同委員会に諮問するとともに、監査等委員会の審議結果を踏まえ、取締役会において決議を行うこととしています。
役員報酬は、基本となる固定報酬、短期インセンティブとしての業績連動報酬、および当グループの中長期的な企業価値向上と株主の皆さまとの一層の価値共有を図るための中長期インセンティブである株式報酬で構成しています。年間報酬における各報酬の構成割合は、おおよそ基本報酬60%、業績連動報酬25%、株式報酬15%となっています。
なお、社外取締役および監査等委員である取締役は、独立した立場での経営の監督・監査を行う役割を担うことから、基本報酬のみとしています。
報酬制度の概要
各報酬は、役位や個別の業績等に応じた報酬テーブルにより報酬額を定めています。
業績連動報酬は、株主の皆さまや従業員との価値共有の観点から、「連結売上収益」および「連結営業利益」の過去3期平均比率、「配当額」および「従業員賞与月数」の前年実績との変動率を連動指標として採用しています。
具体的には、下記の算式により算出した業績連動報酬係数を、役位ごとの報酬テーブルに乗じて報酬額を算出します。
なお、社外取締役および監査等委員である取締役は、独立した立場での経営の監督・監査を行う役割を担うことから、基本報酬のみとしています。
報酬額の決定方法
代表取締役全員および国内で執務する取締役(監査等委員を除く)をもって構成する経営会議による一人別の評価を基に、各報酬テーブルに則った報酬額および株式数を算出し、当該内容を指名・報酬委員会に諮問します。なお、業績連動報酬については、前述の方法により報酬額が算出され、指名・報酬委員会に諮問します。
指名・報酬委員会は、一人別の基本報酬、業績連動報酬、株式報酬額の適正性・妥当性を審議し、結果を監査等委員会へ報告するとともに、当該内容を取締役会に答申します。
取締役会においては、指名・報酬委員会の答申内容、監査等委員会における審議結果を踏まえ、最終的な報酬額の決定を行います。また、監査等委員である取締役の基本報酬については、別途監査等委員である取締役の協議に基づき決定します。
報酬限度額
取締役(監査等委員である取締役を除く)の報酬限度額(株式報酬を除く)は、2021年6月25日開催の第75回定時株主総会にて決議された、年額750百万円以内(うち、社外取締役分は年額30百万円以内)です。
取締役(社外取締役および監査等委員である取締役を除く)の株式報酬限度額は、2021年6月25日開催の第75回定時株主総会にて決議された、年額150百万円、株式数の上限は50,000株です。
監査等委員である取締役の報酬限度額は、2021年6月25日開催の第75回定時株主総会にて決議された、年額90百万円以内です。
後継者人材の育成・選定
当社では、取締役や執行役員として経営を担う人材に求める資質、スキル、経験などを定めた上で、選抜研修などを通じて将来組織をけん引する後継者の育成に努めています。
課長級・部長級人材からの段階的選抜研修においては、経営者に求められる経営戦略や財務会計などのスキル・知識の強化に加え、さまざまなカリキュラムを通じて視座を高め、人間力・品格・マネジメント力を備えた人材に磨き上げていくことを目指しています。
後継者選定の段階においては、取締役、執行役員候補者の経歴・専門性・人間性など、次世代の経営人材としての適性を判断した上で、社外取締役が委員長を務める指名・報酬委員会において慎重な審議を重ね、取締役会で決定しています。
取締役会の実効性に関する分析・評価
当社は、取締役会機能の維持・向上に取り組むために、毎年取締役会全体の実行性を評価することとしています。本実効性評価は2019年3月期から継続的に行われており、今回で6回目の評価となります。
2024年3月期の評価プロセス
1.各取締役による調査票に基づく自己評価の実施(2024年3月~4月)
対象者 | 全取締役 | |
---|---|---|
集計方法 | 調査票に無記名で回答。外部機関に集計を委託 | |
評価項目※ | 取締役会の構成 | 取締役会の構成・多様性/付議事項 など |
経営戦略と事業戦略 | 経営戦略の監督/経営資源の適正な配分/人材戦略のあり方の適切な監督 など | |
企業倫理とリスク管理 | 企業倫理の遵守と監督/重要リスクの監視/内部通報制度 など | |
業績のモニタリングと経営陣の評価と報酬 | 業績指標と経営指標の関連性/役員報酬の内容・プロセス/役員選解任のプロセス など | |
株主との対話 | ステークホルダーとの価値共有/非財務情報の開示 など |
- 取締役会を継続的に改善し続けるという観点から、新たな課題を抽出するため、設問構成を大幅に見直しました。
2.取締役会での議論と総括(2024年6月)
調査票の調査結果に基づき、前年度の評価結果との比較や設問ごとの傾向も踏まえ、全体としての実効性を分析・評価し、実効性のさらなる向上のための対応方針を審議
評価結果と今後の取り組み
全体評価結果
- 当社の取締役会においては、構成の多様性確保が進み、各取締役がそれぞれの知見や経験を活かした活発な議論が行われており、取締役会の実効性はおおむね確保されていると評価
- 社内・社外にかかわらず、取締役会の議論の深化、情報提供の拡充などの運営方法の改善、リスク管理状況の監督強化、役員選解任プロセスの実効性向上などについて改善の余地があると評価
今後の取り組み
- リスク管理状況の監督強化のために報告ルートを見直すとともに、意識向上のための勉強会を実施
- 評価結果を踏まえて取締役間で議論を行い、取締役会のさらなる実効性向上に向けた改善策を検討中
- 取締役会における議論の深化につなげるため、取締役会以外の会議体における議論のあり方を含め運用見直し
- 指名・報酬委員会の役割を整理し、より実効性の高い委員会への進化に向けたプロセス見直し
役員トレーニング
当社は、取締役就任時に外部の専門セミナーを受講する機会を設けています。また、原則として年に1回、執行役員を含む全ての役員を対象に役員勉強会を開催し、法務・財務や経営に関する事項をテーマに、役員の知識・見識の深化に取り組んでいます。
取締役就任後も、各自の知識を向上させるための外部研修の受講機会や、監査等委員である取締役においては、往査を通じた各部門・各社の現場や管理状況の確認等、当社の事業内容をより深く理解するための機会を提供しています。
社外取締役のサポート体制
取締役会において社外取締役がその役割責任を実効的に果たしていくために、取締役会における審議に先立ち、担当役員から議題の事前説明・意見交換を行うとともに、法務担当部門より重要なコンプライアンスやリスク管理、内部通報等に関する情報についても共有が図られています。
また、取締役会の実効性評価結果を踏まえ、情報提供の拡充を図るため、事業戦略に係る会議体への社外取締役の参画を進めるなど、社内体制の構築に努めています。