価値創造ストーリー

2030年に向けた目指す姿

テイ・エス テックグループは、企業理念「人材重視」「喜ばれる企業」を事業運営の根幹とし、進化するモビリティ社会の中でも魅力ある商品を世界へ送り出していくことで、2030年ビジョンの達成はもとより、持続可能な社会の実現に貢献し、全てのステークホルダーの皆さまから存在を期待され「喜ばれる企業」であり続けることを目指します。

第15次中期経営計画概要2024年3月期~2026年3月期

第15次中期経営計画では、目まぐるしく変化する市場環境への対応や収益性のいち早い回復はもとより、2030年ビジョン達成に向けたさらなる成長を果たすべく「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」の各領域からなる9つの重点戦略に取り組んでいきます。また、これまで取り組んできたESG経営の集大成とすべく持続可能な社会へ貢献し、全てのステークホルダーの皆さまから存在を期待され「喜ばれる企業」となることを目指します。

※表は左右にスクロールできます。

財務目標 第14次中期 実績 第15次中期 目標 2030年 目標
売上収益(億円) 4,092 4,800 7,000
営業利益(億円) 152 440 680
営業利益率 3.7% 9.2% 9.7%
ROE 1.8% 8.5% 10.0%
株主還元
基本方針 業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施
配当 第15次中期末 DOE 3.5%以上に向け安定増配
自己株式取得 第15次中期累計200億円規模の機動的な自己株式取得と適切な消却
経営方針 ESG経営の実現
重点戦略 取り組みおよび進捗
成長戦略 1. キャビンコーディネート機能の獲得
  • 魅力あるキャビン商品・技術の創出
    他分野企業との積極的な共創活動
    次世代自動車を想定した車室内での過ごし方の研究
    システム・ソフトウェア開発力強化
    シート統合ECUなど電子制御デバイス部品の開発
    高度エンジニアの育成
  • 次世代EVなど新機種へ次世代技術商品一部採用決定
2. 新事業のさらなる拡大
  • ターゲット商権の戦略的受注展開
    既存受注機種の技術を活かした派生機種商権の獲得への営業活動注力
    次世代技術の先行提案による将来機種の先行開発受注
  • マルチスズキ向け受注拡大に伴いインド新工場建設
3. 主要客先シェア向上
  • 地域連鎖によるシート商権受注
    シート商権未受注地域での商権獲得
    新たなパートナーシップ構築とそれを活かした営業活動展開
  • 部品商権受注の拡大
    次世代共通シートフレームの確実な受注
    軽自動車用シートフレーム受注に向けた開発強化
    部品競争力強化による受注拡大
  • 2024年3月期競合対象商権 ターゲット機種受注達成 90%
地域戦略 4. 北米収益体質のV字回復
  • 環境変化に順応できる企業体質への変革
    変則生産や材料費・労務費上昇に負けない徹底した生産の自動化
    仕様・材料・工程系列の最適化によるコスト競争力強化
  • レーザー自動溶接機や立体自動倉庫導入など収益改善施策実施
5. 中国事業戦略の再構築
  • 既存ビジネスにとらわれない新たな取り組み
    新規顧客獲得を見据えた新たなパートナーシップ構築
    原価低減・調達リスク低減に向けたローカルメーカー採用拡大
    市場環境に対応できる開発体制への刷新
  • 現地自動車メーカーからの部品商権を新規受注
6. 欧州新事業の戦略的拡大
  • 欧州自動車メーカーとのさらなるビジネス拡大
    ポーランドをキーステーションとした営業展開
    部品採用拡大に向けたトリムカバー生産会社の新設
  • 欧州自動車メーカーの新型EV3列目シート生産開始
機能戦略 7. サプライチェーンの再構築
  • 持続可能なサプライチェーンの構築
    リスクの可視化と現地調達推進による安定性と収益性の両立
    お取引先と連携したサプライチェーンCO2排出量(Scope3)削減
  • 調達再編プロジェクトを推進し、各部品の調達方針を全方位から見直し
8. 環境技術開発の推進強化
  • 早期製品化に向けた環境技術の進化
    バイオマス材・鉄くず原料の電炉鋼材の製品適用に向けた技術確立
    リサイクルを想定した素材選択や構造設計による資源循環
  • サステナブルマテリアル製品適用技術開発目処立て完了
9. 高効率生産体制の構築
  • 競合他社を凌駕する生産体質の実現
    DX・AI導入や自動化による生産ラインの持続的進化
    システム見直しなど生産管理効率改善
  • 国内外の生産拠点の再編推進
基盤 人事戦略 / 財務戦略 / 品質No.1評価の獲得 / サステナビリティの浸透・定着
さらなる事業成長に向けて

当グループは、ホンダグループのグローバルパートナーとして、これまで着実な事業成長を遂げてきました。より一層の成長を遂げるため「主要客先(ホンダグループ)シェア向上」のみならず、新たなお客さまからの商権拡大といった「新事業のさらなる拡大」をもって2030年ビジョン達成を目指します。

新事業領域は、EV市場の需要変化による、お客さまの開発計画見直しなどにより、一部受注計画に遅れが発生しているものの、スズキグループからの新商権獲得が好調に推移しています。さらに、中国現地自動車メーカーから新たに部品商権を受注するなど、目標達成に向けて営業活動をさらに加速させていきます。

キャビンコーディネート機能の獲得
高効率生産体制の構築に向けて

他社を凌駕する高効率な生産体制の構築に向け、徹底した生産や検査工程の自動化を推進しています。埼玉工場内に製造技術と量産性の実証検証を可能とする新たな技術棟の建設を進め、製造技術開発を一層加速させ、日本拠点がマザーとなり、生み出す製造技術をグループ生産拠点へと発信していきます。

併せて、さらなる部品競争力の強化と収益性向上を目的とし、かねてより推進してきた国内外の生産拠点再編は、計画通りに進捗しています。

  • 埼玉工場の生産再編によるグローバルマザー機能強化
  • 国内子会社の統合による工程系列スリム化
  • 金型製造・技術開発施設の稼働開始
  • 株式会社エイチワンとの金型技術交流によるノウハウ共有
  • インドネシアにおける生産拠点集約
高効率生産体制の構築に向けて

価値を生み出す各セグメント

当グループは、日本、中国、その他のアジア地域、北米、南米、欧州を4つのセグメントに分けて事業を展開しています。顧客の多様化を図るとともに、あらゆる角度から効率性の向上や原価低減に努めることで、さらなる事業成長を図っています。

価値を生み出す各セグメント

※表は左右にスクロールできます。

日本 米州※1 中国 アジア・欧州※2
関連会社数 7 16 8 12
社員数(人) 2,294 8,166 2,344 1,915
二輪事業収益(百万円)※3 4,637 304 3,151
四輪事業収益(百万円)※3 51,557 230,891 85,254 43,509
(シート) 48,436 204,395 82,606 39,454
(内装品) 3,121 26,495 2,647 4,054
その他事業収益(百万円)※3 14,144 8,186 76
合計(百万円)※3 70,340 239,381 85,254 46,737
設備投資額(百万円) 6,370 5,082 667 1,443
  • 米州セグメントは、アメリカ・カナダ・メキシコ・ブラジルで構成されています。
  • アジア・欧州セグメントは、タイ・フィリピン・インド・インドネシア・バングラデシュ・ポーランド・ドイツで構成されています。
  • セグメント間取引については相殺消去し、外部顧客への売上収益を表示しています。
日本 -埼玉地区の生産再編-

製造技術のさらなる進化と収益体質強化を目的として、高効率な生産体制を構築すべく、埼玉地区の再編に取り組んでいます。埼玉工場内に製造技術と量産性の実証実験を可能とする新たな技術棟を新設することで、生産領域での技術開発強化を目指します。そして、そこで生み出した製造技術をグループ拠点へと発信し、グローバルマザーとして一層の機能強化を図ります。

日本 -埼玉地区の生産再編-
米州 -環境変化に負けない収益体質の構築-

米州では、その市場の大きさからグループ一の売上収益を計上する一方、労務費や原材料価格の高騰など、さまざまな要因から収益性に課題を残しています。生産工程の自動化設備の導入や生産変動に柔軟な対応ができる立体自動倉庫システムなど、生産体質改善に向けた投資により、環境変化に負けない高収益体質へのV字回復を図ります。

米州 -環境変化に負けない収益体質の構築-
立体自動倉庫
中国 -利益率確保に向けた収益体質の改善-

新興EVメーカーの勢力拡大により、かつてないほどの苦戦を強いられている中国では、当グループの収益性を支えるべく、新たな企業とのパートナーシップ構築による新規顧客・新商権の獲得に取り組み、競争が激化する中国市場での勝ち残りを目指しています。また、生産の自動化推進や要員の最適化、現地ローカルメーカーの活用などに取り組み、収益体質の改善を推進しています。

中国 -利益率確保に向けた収益体質の改善-
アジア・欧州 -インド新工場建設-

マルチスズキ向け受注拡大に伴い、インドにおける生産体制の強化に取り組んでいます。株式会社今仙電機製作所のインド工場敷地内に新工場を建設し、生産能力拡大を図るとともに、既存工場で創出されたスペースを有効活用し、コスト競争力強化を図ります。また、本格稼働を開始したポーランド拠点は、欧州顧客向けに価格競争力のある製品供給が可能な立地を活かし、より一層の拡販を目指します。

  • 当グループは2020年11月より、販路・商権の拡大、技術・研究開発の強化、コスト競争力の強化などを目的に、同社と資本業務提携を締結しています。
アジア・欧州 -インド新工場建設-