特集2:ワークライフバランスを実現する

ワークライフバランスを実現する

働きやすい“制度”があっても、それを理解し、支え合える“職場環境”と“仲間”がいなければ、本当のワークライフバランスは実現しません。同じ職場で育児休職を取得した男性社員2名と、その上司に話を伺いました。

育児休暇ポスター
松本 淳也の写真

妻と一緒に育児休職、家族とじっくり向き合えたひととき

育児休職が産んだ働き方の変化

私が担当する業務は、専門性を問われることが多く、まわりから頼られるとやりがいを感じます。そういう中で、自分が一時的にでも休職することができるのか、正直不安になりました。それでも夫婦そろって子どもと過ごせる時間を少しでも多く持ちたいという気持ちが強く、育児休職取得に向けて日々の業務を整理しました。職場の皆さんが協力してくれたおかげで、問題が起こることもなく育児休職を終えられたことに、とても感謝しています。

休職前の引き継ぎで気が付いたことは、普段から平準化すべき業務や共有すべき知識が思った以上にたくさんあることです。気付かないうちに仕事が属人化してしまい、「この仕事は自分しかできないから休めない」と育児休職を諦める方も多いのではないでしょうか。

今回育児休職を取得したことで、自分の仕事の進め方を見つめ直し、かつ職場の方との連携が強くなったことは、私にとっての思わぬ嬉しい副産物でした。

休職期間中の過ごし方

朝、息子を抱っこして一緒に散歩に行ったり、家族で買い物に行ったり、息子が1歳になった頃には親子3人で遠方へ旅行にも行きました。 何気ないことかもしれませんが、この機会を活かして家族とじっくり向き合うことができました。

育児休職前は、「今日は、こんないたずらをしたのよ」と妻が楽しそうに話すのを聞いて、少し寂しい気持ちになったことを覚えています。だからこそ、育児休職によって、自分の目で、息子のさまざまな顔を見ることができたことは、とても幸せなことだと感じました。

休職期間中の過ごし方

今、育児休職制度に対して思うこと

充実した時間を過ごせた私ですが、実は少し心残りなことがあります。育児休職後、改めてこの制度について調べてみると、パパ・ママ育児プラス※といった共働き家庭に適用される特例があることなど、いろいろ知らないことが出てきました。もっと早く知っていれば、また違った育児休職の取り方もあったのかなと思います。

私たち自身が興味を持って、しっかり制度を活かしていくことはもちろんですが、当社には素晴らしい制度があるということを、会社からもどんどんアピールしていってほしいです。

  • パパ・ママ育児プラス:夫婦で育児休職を取得する場合は休職可能期間が延長されるなど、共働き家庭に適用される育児休職に関する特例制度
鈴木 雄己の写真

育児休職後も、フレックス勤務制度を活用して、ワークライフバランスを継続

育児休職を取得しようと思ったきっかけ

身近に産前産後休暇や育児休職制度を利用している女性社員の方が多く、自分もぜひ取得したいと考えました。何より、「生まれて間もない娘のそばに少しでも長くいたい」という気持ちが強かったので、信頼のおける職場の仲間に業務を任せ、妻が出産後すぐに育児休職制度を利用しました。

育児休職を取得して良かったこと

育児はもちろん、妻の日ごろの家事の大変さが分かったことや、自分たちの将来について妻とじっくり話をすることもできたので、取得して本当に良かったと思っています。また、生まれてからずっとそばにいられたおかげで、娘がとても懐いてくれている気がします。育児休職だからといって、子どもと何か特別なことをするというわけでなく、ただ一緒にいる時間を増やすということがシンプルに大切なんだなと思いました。

フレックスタイム制勤務について

今回取得した育児休職制度もそうですが、フレックスタイム制勤務(以下、フレックス)も導入されてたいへん良かったと感じています。特に、当社のフレックスはコアタイムがないので、子どもや妻の体調やスケジュールに合わせて柔軟に働くことができます。朝方、子供の急な発熱など、何が起こるか分からないのでとてもありがたい制度です。

自分の裁量で勤務時間を調整できることは、家族と過ごす時間を増やせる点で非常にモチベーションが上がります。と同時に、「“ライフ”に重きを置くからには、同じように“ワーク”をがんばらなくては」という新たな責任感も生まれ、いかに効率的に仕事を進めるかについて、これまで以上に考えながら取り組むようになりました。

仕事と家庭のいずれも大切にしてメリハリある生活を送る上で、フレックスは大きな役割を担っていると感じています。今は「出勤前に娘と遊ぶ」というルーティンのおかげで、幸せな気持ちのまま一日パワフルに働くことができます。

【comment】育児休職取得男性社員の上司の声

機種LPL室 開発推進課 課長 綱川 有美の写真

機種LPL室 開発推進課 課長

綱川 有美

同時期に男性2名から育児休職の申請をもらったときは正直驚きました。ただ、私自身を含めて女性の育児休職取得が当たり前の当社にとって、誰かが休職に入ることは決して珍しいことではありません。二人が不在の間は、「皆で支え合おう」という意識が前にも増して高まり、特に若手社員が率先して引っ張っていこうとする姿に、また嬉しい驚きがありました。

男女問わず、誰もが「ライフ」に重きを置かなければならない時期があります。そんな時に皆で支え合える職場環境なら、男性の育児休職取得も当たり前のものになってゆくと思います。