環境にやさしい高効率な本社新社屋

環境にやさしい高効率な本社新社屋

本社新社屋

本社建物の概要

2018年3月に竣工したテイ・エス テックの本社新社屋は、「高効率化」と「上質なホスピタリティ」をコンセプトに環境や地域社会にやさしい建物となっています。

それは主に環境面に表れており、太陽光発電をはじめとした数々の省電力設備を利用し、かねてより省エネに取り組んでいた旧社屋に比べて約40%の電力購入量削減とともに、雑用水などへの雨水再利用や敷地内の緑化拡大などにも取り組みました。結果、年間エネルギー消費量は、一般のビルに比べ計画値で78%削減となり、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS※1)において“Nearly ZEB※2”を取得し、省エネルギーのビルとして認証されました。運用1年目の実績値では86%削減を達成しています。さらに環境性能評価“CASBEE※3”でも最高評価のSランクを獲得しています。

また、社内に設置したデジタルサイネージにより、当社屋の消費電力・ガス・水道使用状況を目標値・実績値とともにリアルタイム表示し、社員の省エネ意識を啓発しています。

  • BELS:国土交通省による「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」に基づき、新築・既存の建築物の省エネルギー性能を、第三者評価機関が評価し認定する制度。
  • ZEB:室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現し、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物
    • 認証ランク
      ZEB:年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物
      • Nearly ZEB:ZEBに限りなく近い建築物として、年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物
      • ZEB Ready:ZEBを見据え、省エネルギー設備を備えた建築物
  • CASBEE:省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステム。

電力使用量の削減に向けた取り組み

電力削減に向けた、当社屋の主な取り組みをご説明します。

負荷軽減・高効率化

外装は高性能の断熱パネルを設置し、開口部は快適な眺望と十分な採光が得られる最小限のサイズに抑え、ピーク時の日射負荷を抑制しています。さらに、熱負荷軽減を目的に南面には、遮熱・断熱性の高いLow-E複層ガラスを採用し、快適性と省エネ性を両立しました。また、空調の屋外機に散水(雨水再利用水)を行い、潜熱冷却効果による冷房時の高効率化を図りました。

散水

省エネ運用システム

フレックスタイム制勤務の導入をはじめ、さまざまな働き方に対しても省エネ運用を実現するため、人感センサーを用い、人の在・不在によって空調・照明を細かいエリアごとに自動発停するシステムを導入しています。また、自然光を感知し照度調整を行う明るさセンサーを用い、無意識のうちに省エネ運用が行えるシステムとしました。また、建屋中央部における吹抜けからの自然採光も省エネにつながっています。

省エネ運用システム

創エネルギー

CO2排出量削減を目的に、屋上に87.9kWの高効率太陽光発電パネルを設置しており、電力購入量の削減に大きく貢献しています。

PDCA

竣工後1年間、当社エネルギー管理チームと設計施工者である竹中工務店設計部にて、毎月会議を実施しました。実測データと建物の使い勝手を照合しながら、特に目標を超過した項目について要因を分析し、空調や照明の発停スケジュールの再設定など項目ごとに反映し改善を続けました。

今後はISO50001を軸に省エネ活動を推進します。

水道使用量の削減に向けた取り組み

上水使用量の削減を目的とし、雨水再利用システムを採用しました。屋上への降雨を、地下の雨水貯留槽へとどめ、ろ過・滅菌し、トイレ洗浄、外構散水、屋外機散水として活用しています。

雨水再利用システム図

旧社屋時より可能な限りの取り組みは進めてきましたが、新社屋の建設に当たり大幅な設備更新が行えたこともあり、水使用量は旧社屋から4.7%減、上水使用量は61.9%減となりました。

水使用量

水使用量グラフ

社員の省エネ意識向上に向けた取り組み

社員のさらなる省エネ意識の啓発を目的に、社屋の消費電力・ガス・水道使用状況を、大型サイネージで表示しています。

また、メインオフィスでも状況を把握できるよう、目標値を越えた際に点灯するエコランプを設置し、気付きへの取り組みも実施しました。

長年の活動により、社員に省エネ意識は浸透しているため、数値をリアルタイムで把握し、エコランプで気付きを促すことで、自主的な省エネ行動を期待しています。

大型サイネージ