環境に関する取り組み
方針
テイ・エス テックグループは、企業理念の一つである「喜ばれる企業」実現のため、自動車内装品製造を中心とする企業活動のあらゆる面で、地球環境保護に配慮した環境負荷低減に努め、持続可能な社会づくりに貢献します。
環境行動指針
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法的およびその他要求事項の遵守
各国・地域における環境関連法令・環境基準の遵守ならびに、適切な化学物質管理を行うことで、環境汚染の未然防止に努めます。 -
環境負荷の低減
製品の開発から調達・生産・物流・販売・廃棄・再利用の過程におけるライフサイクルアセスメントに基づき、サプライチェーン全体で環境に配慮した
製品開発・省エネルギー・省資源などの環境負荷低減に努めることで、気候変動影響の緩和や持続可能な資源循環型社会を目指します。[気候変動への取組み]
カーボンニュートラル実現に向けた温室効果ガスの排出管理を行うとともに、エネルギーの効率的な活用、再生可能エネルギーへの転換などにより温室効果ガス排出量を削減します。
[資源循環への取組み]
リデュース・リユース・リサイクルなどの資源の有効活用による廃棄物・水使用量の削減、サステナブルマテリアルの活用などに努め、持続可能な資源管理を推進します。 -
生物多様性の保全
事業活動における生物多様性への影響に配慮し、自然との共生や動物福祉に努めます。また、自然保護活動に積極的に取り組みます。 -
環境マネジメントの継続的改善
環境・エネルギーマネジメントシステムに基づく環境目標の設定、定期的な見直しを実施し、環境・エネルギーパフォーマンスの継続的な改善を行います。
また、そのために必要な情報・資源を用意し、エネルギー効率を向上させる製品・設備の活用に努めます。 -
環境意識の醸成
環境教育を通じて社員の環境意識の向上を図ります。また、全てのビジネスパートナーにおいても、本方針を理解し、支持していただけるよう働きかけます。 -
情報開示
全てのステークホルダーへの積極的な情報開示とコミュニケーションの充実化を図ります。
2025年2月(改訂)
環境マネジメント強化への取り組み
当グループは、世界各拠点で環境マネジメントシステムISO14001の認証を取得し、グループ全体で継続的な環境負荷低減に努めています。また当社国内事業所および一部の海外拠点ではエネルギーマネジメントシステムISO50001の認証を取得しており、2050年カーボンニュートラル達成に向けたエネルギーパフォーマンスの向上に取り組んでいます。
2025年3月期には、環境リスクへの対応強化を目的として、当社国内事業所を対象に専門家による環境法令教育を実施しました。
ISO14001 認証取得拠点
| 地域 | 拠点 |
|---|---|
| 日本 | テイ・エス テック株式会社 |
| 九州テイ・エス株式会社 | |
| 米州 | TS TECH AMERICAS, INC. |
| TS TECH USA CORPORATION | |
| TS TRIM INDUSTRIES INC. | |
| TRI-CON INDUSTRIES, LTD. | |
| TS TECH ALABAMA, LLC. | |
| TS TECH CANADA INC. | |
| TRIMONT MFG. INC. | |
| TS TECH INDIANA, LLC | |
| TST MANUFACTURING DE MEXICO, S. DE R.L. DE C.V. | |
| TS TECH DO BRASIL LTDA. | |
| 中国 | 広州提愛思汽車内飾系統有限公司 |
| 広州徳愛康紡績内飾製品有限公司 | |
| 広州広愛興汽車零部件有限公司 | |
| 寧波提愛思汽車内飾有限公司 | |
| 武漢提愛思全興汽車零部件有限公司 | |
| アジア・欧州 | TS TECH TRIM PHILIPPINES, INC. |
| PT. TS TECH INDONESIA | |
| TS TECH (THAILAND) CO., LTD. | |
| TS TECH (KABINBURI) CO., LTD. | |
| TS TECH SUN INDIA PRIVATE LIMITED | |
| TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED | |
| TS TECH (MANDAL)PRIVATE LIMITED |
- 親会社を含む、連結会社35社中24社が認証取得
ISO50001 認証取得拠点
| 地域 | 拠点 |
|---|---|
| 日本 | テイ・エス テック株式会社 |
| アジア・欧州 | TS TECH (THAILAND) CO., LTD. |
| TS TECH SUN RAJASTHAN PRIVATE LIMITED |
- 親会社を含む、連結会社35社中3社が認証取得
環境内部監査
環境・エネルギー負荷の状況や、過去の監査結果等を踏まえ、1年に1回の環境内部監査を実施しています。内部監査では、環境・エネルギー負荷低減施策の実施状況とその効果、関連法令の遵守状況、ISO国際規格の運用状況等を監査しています。これらの内部監査の結果は、外部審査機関によるISO14001およびISO50001の審査においても確認がなされており、2025年3月期には3年に1回の認証更新審査において、当社のマネジメントシステムの有効性が評価され、認証の継続が認められました。
関連法令の遵守
当社では、環境・エネルギーマネジメントシステムにおいて事業所ごとに「法的及びその他要求事項一覧」を作成し、毎年期初に遵守すべき法令や要求事項の見直しを行っています。また、半期に1回それらの遵守状況評価を行っており、2022年3月期から2025年3月期にわたって、環境関連法規制違反となる事案は発生していません。
環境関連法規制の遵守状況(単体)
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | |
|---|---|---|---|---|
| 環境に関する違反(件) | 0 | 0 | 0 | 0 |
| 環境に関する罰金(円) | 0 | 0 | 0 | 0 |
環境・エネルギー管理教育
当社では、ISOマネジメントシステムを通じて、社員へ環境やエネルギー管理に関する各種教育を行っています。ISO14001の観点では、環境負荷低減や汚染未然防止などを目的とした環境教育を実施しています。
ISO50001では、日本地域の関係会社を含むエネルギー管理を担当している社員に対し、省エネルギー施策推進の活性化、担当者の知識向上を目的として、一般財団法人省エネルギーセンターによるエネルギーマネジメント講習を実施しているほか、設備運用改善に視点を置いた独自の省エネルギー診断も導入しています。
2022年からは専門知識を持つ人材の育成強化の観点から、インバーターを活用したモーターや設備機器の省エネルギ―化をテーマに、専門家の知見を取り入れた効果的な省エネルギー手法の習得を図り、海外を含めたグループ全社に水平展開を行っています。
エネルギー管理の基本的な考え方はもちろんのこと、設備の管理方法について深く学ぶことで、より効果的な施策を生み出すきっかけとしています。今後は、各拠点において省エネルギー施策の中心となる人材の育成や、継続的な教育により社員の環境意識・スキル向上につなげていきます。
環境負荷低減の取り組み
事業活動に関わる地球環境影響を各領域で洗い出し、環境負荷低減に努めています。

生産軸での対応
生産部門では「持続可能な“モノづくり”に進化させ、グローバル高効率生産体制を構築する」 を方針に掲げ、地球環境に配慮したモノづくりを推進しています。
主な取り組みとして、社内専門チームによる「グローバル省エネルギー診断」を実施し、次世代省エネルギー技術の導入や回生エネルギーの活用を通じて、電力使用量の削減を図っています。具体的には、2023年より日本国内の有識者の支援のもと、海外拠点および連結子会社に対して省エネルギー診断を積極的に実施しています。省エネルギー施策の導入が不十分な拠点を優先的に選定し、現地の実情に即した施策を提案するとともに、診断は省エネ技術の標準化に基づいて行われ、現地スタッフとの密な連携を通じて実践的なノウハウを共有し、人材育成にも貢献しています。
また、生産現場では、重力やテコの原理を活用し、エネルギーを消費せずに作業を自動化する「からくり改善」の取り組みを強化しています。2022年11月には、日本プラントメンテナンス協会主催の「からくり改善くふう展」において、設備の排気エアを活用した装置を出展し、パーツフィーダーコンテスト部門で銀賞を受賞しました。現在は、からくり装置による発電の仕組みや、回生エネルギーを活用した設備の開発にも取り組んでおり、環境に配慮したモノづくりの推進とともに、社員の環境意識の向上にもつなげています。
環境に配慮した設備の導入
設備導入によるCO₂排出量削減の取り組みとして、各拠点の建て替え時には、太陽光発電や雨水再利用等、環境に配慮した設備を導し、CO₂排出量および地下水の取水量の削減を図っています。
2025年3月期には、気候変動対策および持続可能な社会の実現に向けた取り組みの一環として、当グループのTS TECH ASIAN CO., LTD.による売電事業を通じて、オンサイトPPA方式※によりタイ子会社へ太陽光発電設備を設置し、電力を直接供給することで、電力コストとCO₂排出量の削減を実現しました。今後も当グループは、再生可能エネルギーの普及促進と気候変動対策に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
- 顧客敷地内で発電事業者が太陽光設備を運用し、発電電力を顧客に販売する方式
開発軸での対応
環境負荷低減に最も貢献できる技術として、製品の軽量化に注力しています。例えば、シート重量の多くを占めるシートフレームでは、ニーズの変化に合わせ、安全性や快適性を向上させつつ、さまざまな軽量化技術を投入しています。現在量産されている最新のシートフレームは、超高張力鋼板や薄板接合技術の採用拡大により、従来の主力フレーム比約28%の軽量化を達成しており、世界中で多くの車種に採用されています。
軽量化技術に加え、CNF(セルロースナノファイバー)等植物由来のバイオマス材利用技術による製品含有CO₂量低減にも注力しています。石油由来材料に対し、製品含有CO₂量を60%低減することに成功しており、シート、ドアトリム等への量産適用を目指して研究を続けています。そして、材料の再利用化に向けては、再生材を使った二輪車用シートの開発や、より短時間で効率的に解体できる構造の開発を行っています。
また、今後のEV化を視野に、電費(航続距離)向上に貢献する低電力で効率的に加温するシートヒーターシステムや、省電力に貢献する空調シートの開発に取り組み、新機種への採用が決定されました。今後も、さまざまな角度からカーボンニュートラルに寄与する技術開発を推進していきます。