女性が抱える健康の悩みを“座る”技術でサポートしたい！

新たな製品開発に挑戦

黒澤アルプスアルパインとの業務提携をきっかけに始まったさまざまな共創活動の中で、私たちは新たな価値創造として、女性特有の健康課題に着目しました。「困っていることは自らの手でやりたい」と手を挙げたのが、このフェムテックワーキンググループです。

佐藤女性社員の話を聞いていると、想像以上に多くの方が月経痛に悩んでいることが分かり女性の運転をサポートする「わたし la シート®」の誕生につながりました。

高庭当社の本業は自動車用シートです。通常の製品開発では、お客さまからの要件があり、それを満たす基準を定めて、開発が進められます。今回のような独自で新しい製品を開発するには、自分たちで基準を決めないといけないので、「本当にそれで良いのか？」と迷いがありました。最終的には、試験を重ねながら体験者の声も参考に、利用者が満足できるだろうという基準を決定しました。

黒澤新しいことをする時は、何を持って良しとするのかが難しいですよね。これで満足してもらえるはずと覚悟を決めた感じでした。

黒澤アルプスアルパインの意思決定の速さに驚かされました。企画から意思決定、カタチにするまで1年かかっていません。当社だけでは、ここまで早くできなかったかもしれません。変化の激しい業界だからこそ培われたスピード感なのだと思います。
当社はシートという命を預かる製品を長年手がけているからこそ、安全性を担保するための段階を一つずつ踏んでいく仕組みがあります。その感覚が、自分にも染み込んでいたので、今回のようなスピード感のある共創活動はとても良い刺激となりました。

高庭ワーキンググループに参加されていた方の知識の深さやコネクションの広さにも驚きました。こんなエビデンスが必要だとなったら、「あの大学の教授とつながりがあるので相談してみましょう」とすぐに動きだしました。

佐藤私は入社3年目の時に今回の共創活動に参加してみないかと声をかけてもらいました。若手の自分でいいのかという不安もありましたが、いろいろな気付きを得ることができ、自分が成長できる貴重な経験となりました。

黒澤市販化を目指したいので、スピード感を落とさずに進めていきたいですね。ここまでの早さでカタチにできたのは両社の強みを上手く合わせることができたシナジー効果だと思います。当社の「座る」ことへの知見を活かした新たな価値を提供できる製品づくりを行なっていきたいです。

佐藤少し視点が違うかもしれませんが、今回の開発が始まるまでは、女性特有の悩みを口にすることはタブーのような雰囲気がありました。また、恥ずかしいからと生理休暇を躊躇してしまうという話もありました。私の部門では開発を通して進捗報告やフェムテックの話を何度もできたことで、心理的なハードルが下がった気がします。フェムテックが社内に認知されていくことで、より働きやすい職場づくりにつながってくれれば嬉しいですね。