製品情報

Hondaのフラッグシップに息を吹き込む
ハイクオリティな匠の技 Honda LEGEND / ACURA RLX

Hondaのフラッグシップセダンである「 LEGEND 」の販売が2015年2月に開始されました。
5代目となる「 LEGEND 」は、海外ではAcura「RXL」として世界各地で先行販売されています。
随所にこだわりの詰まったシート(座席)やドアトリム(ドアの内張り)についてプロジェクトメンバーにお話を伺いました。

profile

機種LPL室
LPL(ラージ プロジェクト リーダー)

上杉 享志(Acura RLXLPL)

1985年入社。開発試験部門に配属後、衝突安全部門に異動。その後、衝突安全課の課長を担当。2009年に機種LPL室に異動し、LPLとして担当機種の開発から立上げまで取りまとめている。

設計部

今井 博也
(Acura RLX プロジェクト)

1998年入社。設計部門に配属後、内装の開発に関わる業務を担当。現在は、設計部門の係長を務めている。

設計部

沖村 篤
(Acura RLX プロジェクト)

2008年入社。設計部門に配属後、シート設計に関わる業務を担当している。

機種LPL室
LPL(ラージ プロジェクト リーダー)

岩崎 孝(Honda LEGEND LPL)

1988年入社。設計部門に配属となり内装部品の開発・設計に従事。2005年アメリカ駐在、2011年帰国後LPL室に異動となり、現在LPLとして担当機種の開発から立上げまで取りまとめている。

設計部

永澤 直人
(Honda LEGEND プロジェクト)

2010年入社。設計部門に配属後、シート設計に関わる業務を担当している。

プロジェクトの背景

上杉:
「Honda LEGEND/Acura RLX」は最高級車という位置づけにあります。私は北米で先行して発売されたAcura「RLX」のLPLを務めていて、その後国内向けの「LEGEND」については、岩崎がLPLを務めることになりました。フラッグシップセダンということで、特に外観の品質については一般的なクルマよりワンランクもツーランクも高める必要があります。また、フロントシートには、快適性向上のための空調システムや、8WAYパワーシート、4WAYランバーサポート機能、「LEGEND」のリアシートについては、エアコンやオーディオシステムのコントロールパネルやワイヤレス充電器などさまざまな機能が盛り込まれており、最高レベルの装備が充実しています。

一方で、装備が盛りだくさんになると、安全性と相反する部分も出てきます。ハードルのひとつとして、アメリカの保険機関 IIHS※というところが行っている頸部傷害値評価というものがあります。そこでの評価では、例えば後方から追突された際に、シートに座っている乗員の身体を背もたれ部に沈み込ませて、着座姿勢のままヘッドレストで早く後頭部を支えることにより頸部傷害値を低減できて安全性が高くなります。ですが、先ほど言ったようにシートの中に「機能部品」がいろいろ入っていると、身体がシートに沈み込みにくくなります。そこで、今回のシートでは機能部品の配置やフレーム、ヘッドレストの形状を工夫するなどして、IIHSで乗員保護に非常に優れる“GOOD”(4段階評価中の最高ランク) の評価を取ることができました。
  1. IIHS:米国道路安全保険協会(Insurance Institute for Highway Safety)自動車アセスメントを実施している

Hondaの頂点となるべき「高い目標」設定

岩崎:
私たちプロジェクトのミッションスタート時には、必ず達成しなければならない目標を立てます(社内では「A00目標」と言っています)。当然、前モデルより進化させる高い目標を立てて、やり切るのですが、「LEGEND」はさまざま技術を満載しますので目標設定のハードルは一段と高くなります。フラッグシップカーとして相当こだわりのあるクルマですから、座り心地や製品重量などについて細かく設定された従来機種では見たこともない数値目標を立てました。ですので、ハードルを越えるのにかなり苦労がありましたね。
沖村:
苦労のひとつとして、デザインの再現がありました。後席に座る方の足元(膝回り)空間を広くするために、前席の背もたれ部は年々薄型化が進んでいます。反面、その内側には安全性、快適性を向上するため、さまざまな機能が搭載される傾向にあります。「LEGEND」のシートでは、多くの機能部品を納めながら、少しでも薄くしつつ高級感あるデザインを再現するのが、特に難しかったですね。また、ポジションを調整する際にシート各部位を電動で細かく動かすため、モーターに電力を供給するハーネス(電源コード類)がかなり多いんです。動き方を細かくシュミレーションして、ハーネスに負荷がかかっていないか見ながら、いかに上手く配線するかというところにも非常に苦労しました。
上杉:
こだわりは、まだまだあります。シートのステッチ(縫い目)部分(写真1)は、通常針1本で縫います。ですが本革仕様の多い「LEGEND」では、シートを美しく仕立てるために張りを強く表皮をかぶせます。針1本で縫った場合、針穴の間隔が広くなってしまい、張りが強いため縫い目が引っ張られて、針穴が若干目立ってしまいます。普通のクルマでは許容範囲内ですが、「LEGEND」は求められるレベルが高いので、仕上げの美しさを出すために針を2本使ったミシンを使用して針穴の間隔を狭くして縫っているんです。
今井:
Hondaのホームページでも、ステッチを縫っているシーンがドーンと大きく掲載されており、「売り」になっているようなのでうれしい限りです。また、ステッチのラインをいかに綺麗に見せるかというところにも力を入れています。縫製のこだわりは、シートにとどまらず、ドアトリム(ドアの内張り)にも注いでいます。今回のドアトリム上部には高級感を演出するためにステッチ(写真2)を装飾として追加しています。このステッチはあらかじめドアトリム形状に成形された凹凸のある表皮を縫う「立体縫製」という技術で、生産効率と外観品質向上を同時に実現しています。当社で始めて導入した技術なので特殊なミシンで対応しています。

写真1:シートのステッチ

写真2:ドアトリム上部のステッチ

「上質な包まれ感」へのこだわり

沖村:
もちろん、乗り心地についても最高級を目標とされているのでシートの座り心地には相当こだわりました。大抵のシートの中にはウレタンパッド(クッション)が入っています。人の体は触れる部位によって硬さの感じ方が違うので、座り心地を向上させるため、シートの部位ごとに座面の硬さを細かく変えてつくっています。ここまで手の込んだつくりが出来るのはこのクルマならではだと思います。
上杉:
さらに言いますと、開発コンセプトである「上質な包まれ感のある、クルマとの一体感を感じるシート」を実現するために、ウレタンパッドも材料(配合や加工方法)から見直して新しい手法で製造したものを使用しています。モチモチとした触感としっかりとした振動吸収を実現していますので、クルマに乗り込んだときの包まれ感のある座り心地や、さまざまな道路状況でも疲れにくい乗り心地を味わっていただくことができると思います。

写真3:リアシートのアームレスト

写真4:ドアトリム

沖村:
「空調システム」も忘れてほしくないですね。「包まれ感」が増せば、シートとの接触面が増えて、その分蒸れが気になります。そこで新たな魅力として、シート表面から空気を吸い込んで、不快な蒸れを解消する機能を追加しています。エアコンでは味わえない快適さだと思いますよ。
永澤:
日本での「LEGEND」の位置づけは高級車ですので、後席のアメニティ(快適性)はクルマ購入時の重要な検討要素になります。ですので、後席に座られる方への快適装備として、オーディオやエアコンを操作するコントロールパネル、スマートフォンを置くだけで充電できるワイヤレス充電器、USBジャックなどの装備を中央のアームレストに新たに搭載しました。装備の追加によって、当然重くなるわけですが、重くなればなるほど急ブレーキ時にアームレストが勢いよく倒れて、電装部品が破損してしまう恐れがあります。それに、急にアームレストが飛び出してきたら、びっくりしますし、危ないですよね。そこで可動部に油圧ダンパーを取り付けることで、安全性に配慮するとともに、緩やかな作動で高級感も演出しています。
岩崎:
先ほどステッチへのこだわりの話がありましたが、ドアトリムにはその他にも、さりげないとこに高級車としての「おもてなし」要素を盛り込んでいます。例えば乗車中はドアによく触れますよね。内装として見た目の良さが重要なのは言うまでもないんですが、人が触れる部分、特に肘をついたり腕を乗せたりするアームレストについては、その触感まで重視しています。指先で触れる感覚などを、“反発力”といった指標を用いて数値化し細かく計測したり、肘や腕が触れるクッション部分に関しては、パッドが薄いのに底付き感を感じにくくするように研究を重ねました。あわせて、万が一、側面(横方向)から衝突された際にも、その影響が乗員に及びにくい構造としており、安全性の確保も配慮しています。Hondaのフラッグシップセダンの内装として、さまざまな点でクオリティに妥協はしていません。

プロジェクトを終えて高い目標をチームワークで乗り越える

岩崎:
毎週、社内で「顔を合わせて」会議を行っています。日々の業務についても、「モノ(現物)」を見ながら、お互いの意見を聞き、仕事を進めていくようにしています。ユーザーの皆さまに満足していただけるよう、目標を高く持って、今も仕事を進めています。
上杉:
私もチームワークが大事だと思っています。大切なのはやるべき目標を共有して、常に課題意識を持って仕事を進めていくことですね。図面ありきで仕事をするのではなくて、まずは全員でいろいろな意見を出し合っていくことで、“いいモノ”ができあがっていくと思います。

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