ESG Voice 2017年分

  • 記事内容および所属は取材当時のものです。
お客さま
お客さまとの対話に、より良いシートづくりのヒントがある

株式会社ホンダカーズ埼玉
和光中央店 工場長 主事
置田 義典 様

2017年ESG Voiceお客さま

Qエンドユーザーとの関わりの中で感じるシートの魅力を教えてください。

愛車の点検・整備や修理、車検でご来店されるお客さまとのお話の際、シート関連のご相談もお受けしています。

例えば仕様・機能面では、ロングドライブを楽しむお客さまから、長く座っていても疲れない柔らかな表皮のご要望があります。さらに、私自身も昔はスポーツタイプのクルマで走りを楽しみ、そのとき愛用したバケットシートの、すっぽり包み込む「ホールド感」が気に入っていました。これらの「柔らかさ」「ホールド感」など、お客さまの目的に合ったシートは、さらなる快適さをもたらすと思います。

また、シートアレンジでは十数年前、ミニバンの1列目シートを後ろに回転させて3列目と対座とし、2列目シートを折り畳みテーブルとして使う「レストランモード」がありました。これは歓談やミニパーティーに最適なので、復活すれば、ご家族・友人同士でのドライブに新たな楽しみ方をご提案できます。

Q今後の展望をお聞かせください。

今や、クルマは生活に密着した存在です。「座って疲れず、使い勝手の良いシート」のあるクルマで、お客さまの暮らしをもっと豊かにするのが私の願いです。

ご意見を受けて

テイ・エス テックでは長時間座っていても疲れにくいシートの研究・開発として「姿勢・体圧・振動・ホールド性・温熱・音響」などに取り組んでいます。それぞれヒトの理想の姿勢を数値化し、製品として具現化できるように、フレーム構造、クッション材の特性、表皮材、調整機構、電装部品などの要素技術に展開しています。また、ウェブ調査などからお客さまの声を参考にして他社にない魅力あるアレンジを提案しています。お客さまに喜んでいただけるように「見て、触って、座って、走って、使って」楽しいシートづくりに取り組んでいきます。

(開発試験部)

ビジネスパートナー
得意分野を活用して、未来のシートづくりに貢献したい

日本アイ・ビー・エム株式会社
ホンダ・グループ担当 事業部 部長
後藤 直也 様

2017年ESG Voiceビジネスパートナー

Qテイ・エス テックと関わるきっかけは何でしたか?

テイ・エス テックとの関わりは約30年前、技術センターにおけるCAD※1システム環境の構築支援から始まりました。現在は、本社システム部のサーバを私たち日本IBMのクラウド環境に格納して、データ管理を行っています。

Qビジネスパートナーとしての今後の展望を教えてください。

数年前、当社の研修施設で「座ラボ」メンバーが合宿した際、何度かミーティングを見たことがありました。そのとき、「未来のシートに対して、私たちならではの貢献方法がある」と感じたのです。シートは乗員との接点であり、自動運転の進化でハンドルを握る時間が減れば、より安全で快適なシートが求められます。「座ラボ」でも血圧や心拍数など、乗員の生体情報センシングが研究テーマの1つですが、センシング技術は当社の得意分野です。また、私たちは事業のグローバル展開で長い歴史を持ち、女性管理職やLGBT※2などダイバーシティへの取り組みでも多くの実績があります。

クラウド環境に加え、このような「モノづくり」に近い分野や人材活用面でも貢献を果たせるのでは、と考えます。

ご意見を受けて

テイ・エス テックへのご協力も長期にわたり、また『座ラボ』活動の合宿の際には、若手メンバーへのお力添えをいただき、心より御礼申し上げます。

自動車業界では、すでに自動運転がスタートしており、将来的にはドライバーおよび乗員のモニタリングが必要となります。シート開発に携わる部門としても、生体情報のセンシングは重要な位置付けとし、「座フォーラム」での『座ラボ』プレゼンテーション内容を含めまして、戦略的に技術開発に取り組んでおります。

今後も安全や環境、乗り心地の領域で先進技術開発を継続し、価値ある商品の創出につなげていきます。

(商品開発部)

  • CAD(Computer-Aided Design):コンピュータ支援設計。自動車分野では3次元CADソフト「CATIA(キャティア)」が主流。
  • LGBT(Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender):女性同性愛者、男性同性愛者、両性愛者、性同一性障害を含む性別越境者。
株主・投資家
業績数値の裏にある現場の出来事を読み解き、将来を予測

大和証券株式会社
グローバル・マーケッツ本部 企業調査部
坂牧 史郎 様

2017年ESG Voice株主・投資家

Q投資判断をする際、企業が開示する情報の中で重要視する事柄はどのようなものでしょうか?

各社の決算分析に当たり、開示情報の中で財務データが一番重要になりますが、その数字の裏側で起きている現場の出来事を読み解いたうえで、将来の予測を行うことが大事だと捉えています。そこで、マネジメントの方々との定期的なディスカッションや国内外の工場視察だけでなく、「テイ・エス テックレポート」に掲載されている技術開発をめぐる話題や、ビジネスモデルの紹介、コーポレート・ガバナンスなどの非財務情報も、投資を考えるうえでの判断材料となります。

Qテイ・エス テックに期待することは何ですか?

ここ数年、株式市場では、「自動車産業が構造的な転換点を迎えつつある」との議論が活発になっており、例えば、シリコンバレーではハンドルのないロボタクシーの普及を図るベンチャー企業が資金を集めています。テイ・エス テックが「座る」を極める技術開発などを通じ、どのような成長戦略を描いていくのかなど、今後も発信される情報を継続的にフォローしつつ、将来に期待しています。

ご意見を受けて

テイ・エス テックでは株主・投資家の皆さまとのコミュニケーションを大切にしており、社会から適正な評価をいただけるよう、積極的な情報開示に努めています。

今後も財務情報の開示のみならず、「テイ・エス テックレポート」をはじめ、「座フォーラム」の開催や「東京モーターショー」への出展を通じ、次世代の自動車業界においても競争力のある製品・技術をお伝えしていきます。

また今後ますます重要視されることが見込まれるESG投資の観点からも、企業価値の向上はもとより、持続可能な国際社会の構築に貢献するよう努めていきます。

(総務部)

  • ESG投資:Environment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治)に配慮している企業を重視・選別して行う投資
社員
中国全拠点の貿易管理を担う「貿易のスペシャリスト」

TS TECH (HONG KONG) CO., LTD.
マネージャー
中尾 康子

2017年ESG Voice社員

Q簡単な経歴と現在の業務内容を教えてください。

2017年4月より、地域統括会社の1つであるTS TECH(HONG KONG)CO., LTD. にテイ・エス テックグループ初の女性海外駐在員として赴任しています。「貿易のスペシャリスト」として、中国の全拠点における貿易管理業務を強化するのが私の役割です。直前の3月までは本社の貿易管理統括室で、主に国内拠点の輸出入に関わる対外業務を担当していました。現在は業務の幅も広がり、新たな施策の数々を練る毎日です。

Q今後の抱負をお聞かせください。

私はこれまで業種の異なる数社で貿易実務一筋に歩み、多くの国々との取引や海外出張も経験して国際ビジネスの実績を積んできました。テイ・エス テックへの入社後もその実績を活かし、海外拠点で働きたいという想いを持っていました。勤続年数や性別に関わらず、自分だけの強みを持つ努力を続ければ、世界で活躍するためのスキルは、おのずと備わるのだと思います。今回、「豊富な国際ビジネス経験」という自分の強みを活かせる場所を与えられたことは、願ってもないチャンスだと捉えています。

ご意見を受けて

TSフィロソフィーに基づき、重要な財産である“人材”が個々の能力を最大限に発揮できる「働きがいのある会社」「働きやすい会社」を目指しています。先輩社員が活躍している姿を知ってもらい、性別、人種、年齢などに関わらずさまざまな人材がテイ・エス テックを支えていることを認識できるよう、これからも多様な働き方を受け入れる土壌づくり・理解促進に取り組んでいきます。

(人事部)