価値創造ストーリー

2030年に向けた目指す姿

テイ・エス テックグループは、企業理念「人材重視」「喜ばれる企業」を事業運営の根幹とし、進化するモビリティ社会の中でも魅力ある商品を世界へ送り出していくことで、2030年ビジョンの達成はもとより、持続可能な社会の実現に貢献し、全てのステークホルダーの皆さまから存在を期待され「喜ばれる企業」であり続けることを目指します。

第14次中期経営計画振り返り

第14次中期経営計画は「ESG経営による企業進化」を経営方針に掲げ、事業成長とそれを支えるESG各領域での企業体質強化を目指して取り組んできました。重点施策は着実に進捗した一方、パンデミックや材料供給不足など厳しい事業環境を受け、収益面では大きく課題を残す結果となりました。また、新事業領域での商権受注目標の未達や資本効率の低下など残った課題を確実につぶし込むべく、第15次中期経営計画を推進していきます。

重点施策の進捗

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施策 評価 取り組み
事業成長に
向けた進化
オリジナル技術の商品化
  • センシング技術をはじめ魅力商品につながる技術開発を加速
    次世代車室内空間「XR Cabin」発表
  • 共同開発などオープンイノベーションの積極的な取り入れ
    株式会社今仙電機製作所との資本業務提携
  • アルプスアルパイン株式会社との業務提携 テトラ・アビエーション株式会社への出資
  • 先進的加工技術の量産適用
    金型製造・技術開発拠点新設
戦略的商権の拡大
  • 強みを活かした仕様提案・開発連携強化による
    主要顧客における目標商権の確実な受注
  • 新規顧客・新商権獲得に向けたターゲット機種の 絞り込み、戦略的受注展開
    受注件数は着実に増加したが、受注確定目標は未達
事業体制の最適化
  • アロケーションの見直し、生産再編を踏まえた
    国内外拠点の事業体制の再構築によるスリム化・効率化

    イギリス・ハンガリー生産拠点の再編
    インド四輪・二輪車事業再編
    メキシコトリムカバー製造会社設立
    ポーランドシート製造会社設立
サステナブル社会への貢献
  • サステナビリティ委員会の設置
  • マテリアリティの特定・KPIと2030年目標策定
    低炭素社会実現に向けたグローバルでのCO2排出量
    削減活動・管理強化
    TCFD提言への賛同・開示対応
  • 循環型社会実現に向けた資源管理強化
進化を支える
事業体質強化
品質No.1評価の獲得
  • 新機種グローバル展開時における
    先発拠点からのノウハウ・支援強化
  • 開発の源流段階での検証強化による不具合発生未然防止
  • 拠点および取引先における品質管理システム強化
    品質対応コストの発生による収益影響発生
持続的な収益体質の強化
  • グローバル調達構造の強化による、最廉価調達体質構築
  • ITの積極活用による管理間接業務の効率化
  • 中長期的成長を目的とした財務戦略の検討・策定
人・組織の生産性最大化
  • 多様な人材の活躍を促進する仕組みの構築
    リファラル採用・カムバック採用導入
  • 従業員エンゲージメント調査の実施・活用
    レーティング:C  最上位AAAを目指す
  • 働き方諸制度を受けた評価制度の進化
  • 次世代の人材育成に向けた教育体系見直し

財務推移

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財務推移1 財務推移2 財務推移3
2020/3実績 2021/3実績 2022/3実績 2023/3実績 2024/3計画
売上収益(億円) 3,596 3,461 3,499 4,092 4,100
営業利益(億円) 263 267 229 152 200
営業利益率 7.3% 7.7% 6.6% 3.7% 4.9%
ROE 5.9% 7.8% 4.3% 1.8% 3.4%
為替 米ドル 108.7 106.1 112.4 135.5 130.0
中国元 15.6 15.7 17.5 19.8 19.0

非財務推移

当グループでは、Dow Jones Sustainability Indices(DJSI)※1に基づく評価によってESG体質を測定しています。

第14次中期経営計画では、監査等委員会設置会社への移行をはじめとしたガバナンス改革や非財務領域の開示拡充などが高く評価され、「コーポレート・ガバナンス」「社会報告」の領域で大きくスコアを伸ばすことができました。これからも、第13次中期経営計画(2018年3月期~2020年3月期)から掲げ続けている「ESG経営」をさらに進化させ、業界TOPの企業体質の実現と持続可能な企業成長を目指していきます。

DJSI評価(自動車部品業界でのパーセンタイル※2

DJSI評価の円グラフ
							自動車部品業界でのパーセンタイル
  • 米国S&P Dow Jones Indices社が毎年公表するサステナビリティに関するインデックス(指標)で、環境・社会・ガバナンス/経済の側面から企業の持続可能性を評価するもの
  • 業界の最高位を100とした際の自社位置を示す
  • 2021年3月期から追加された新規項目のため、第13次中期経営計画時点ではスコアなし

主な取り組み

E

  • TCFD提言への賛同・開示対応
  • 環境マネジメント・CDP対応強化

S

  • エンゲージメント調査の実施
  • サプライヤーサステナビリティガイドラインの展開・調査対象を拡大

G

  • 監査等委員会設置会社への移行
  • 指名・報酬委員会の設置
  • 取締役会の多様化(女性取締役就任など)
  • サステナビリティ委員会設置
  • マテリアリティ・2030年目標策定

第15次中期経営計画概要

第15次中期経営計画では、課題である収益性のいち早い回復はもとより、2030年ビジョン達成に向けたさらなる成長を果たすべく「成長戦略」「地域戦略」「機能戦略」からなる9つの重点戦略に取り組んでいきます。また、第13次中期から取り組んできたESG経営の集大成とすべく持続可能な社会へ貢献し、全てのステークホルダーの皆さまから存在を期待され「喜ばれる企業」となることを目指します。

※表は左右にスクロールできます。

財務目標 第14次中期 実績 第15次中期 目標 2030年 目標
売上収益(億円) 4,092 4,800 7,000
営業利益(億円) 152 440 680
営業利益率 3.7% 9.2% 9.7%
ROE 1.8% 8.5% 10.0%
株主還元
基本方針 業績に左右されない、継続的かつ安定的な還元の実施
配当 第15次中期末 DOE 3.5%以上に向け安定増配
自己株式取得 第15次中期累計200億円規模の機動的な自己株式取得と適切な消却
経営方針 ESG経営の実現
重点戦略 取り組み
成長戦略 キャビンコーディネート機能の獲得
  • 魅力あるキャビン商品・技術の創出
    他分野企業との積極的な共創活動
    次世代自動車を想定した車室内での過ごし方の研究
    システム・ソフトウェア開発力強化
    シート統合ECUなど電子制御デバイス部品の開発
    高度エンジニアの育成
新事業のさらなる拡大
  • ターゲット商権の戦略的受注展開
    既存受注機種の技術を活かした派生機種商権の獲得
    次世代技術の先行提案による将来機種の先行開発受注
    新規客先の開拓
    新事業統括本部を中心とした各地域・機能本部の連携強化
主要客先シェア向上
  • 地域連鎖によるシート商権受注
    シート商権未受注地域での商権獲得
    新たなパートナーシップ構築とそれを活かした営業活動展開
    部品商権受注の拡大
    次世代共通シートフレームの確実な受注
    軽自動車用シートフレーム受注に向けた開発強化
    部品競争力強化による受注拡大
地域戦略 北米収益体質のV字回復
  • 生産変動に順応できる企業体質への変革
    変則生産・コスト増に負けない徹底した生産の自動化
    仕様・材料・工程系列の最適化によるコスト競争力強化
中国事業戦略の再構築
  • 既存ビジネスにとらわれない新たな取り組み
    新規顧客獲得を見据えた新たなパートナーシップ構築
    原価低減・調達リスク低減に向けたローカルメーカー採用拡大
欧州新事業の戦略的拡大
  • 欧州自動車メーカーとのさらなるビジネス拡大
    ポーランドをキーステーションとした営業展開
    部品採用拡大に向けたトリムカバー生産会社の新設
機能戦略 サプライチェーンの再構築
  • 持続可能なサプライチェーンの構築
    リスクの可視化と現地調達推進による安定性と収益性の両立
    お取引先と連携したサプライチェーンCO2排出量(Scope3)削減
環境技術開発の推進強化
  • 早期製品化に向けた環境技術の進化
    バイオマス材・環境適用鋼材の製品適用に向けた技術確立
    リサイクルを想定した素材選択や構造設計による資源循環
高効率生産体制の構築
  • 競合他社を凌駕する生産体質の実現
    DX・AI導入や自動化による生産ラインの持続的進化
    システム見直しなど生産管理効率改善
基盤 人事戦略 / 財務戦略 / 品質No.1評価の獲得 / サステナビリティの浸透・定着
キャビンコーディネート機能の獲得

技術革新がもたらす自動車の変化は、車室内空間(キャビン)で求められる価値を一変させます。これをビジネスチャンスとし、さらなる事業成長を遂げるためには、シートのみならずキャビン全体をコーディネートし、お客さまやユーザーに対して新たな価値を提案していくことが不可欠です。これまで蓄積してきた独自技術と他分野企業との連携によって、魅力あるキャビンを実現できる商品・技術の創出に取り組みます。

キャビンコーディネート機能の獲得
さらなる事業成長に向けて

当グループは、本田技研工業株式会社および同社の関係会社からなるホンダグループのグローバルパートナーとして、これまで着実な事業成長を遂げてきました。より一層の成長を遂げるため「主要客先(ホンダグループ)シェア向上」のみならず、新たなお客さまの獲得やホンダグループ以外の商権拡大といった「新事業のさらなる拡大」をもって2030年ビジョン達成を目指します。

2030年目標

  • ホンダグループ向け四輪車用シートシェア70%以上
  • 連結売上収益に占める新事業売上3割以上
キャビンコーディネート機能の獲得