2024年12月18日
活躍する社員
多彩な先進技術を融合させた
「ファミリーコンフォートキャビン」
家族での移動時間を変える車室内空間の魅力とは?

テイ・エス テックが次世代自動車を見据えた新たな車室内空間を提案する「次世代車室内空間発表会2024」にて発表した、
家族での移動時間をもっと快適にみんなが“うれしい”ミニバン空間「ファミリーコンフォートキャビン」。
家族でのお出かけや長距離ドライブ、そんな時間をもっと快適に、
そして楽しく過ごせる新たな空間を生み出した開発リーダーに開発品に込めた想いを伺いました。
富岡家族での移動時間をより快適に、そして全員が“うれしい”と思えるミニバン空間を目指しました。そのため、ミニバンサイズの室内空間に、前後のロングスライドシートレールに横スライド機構も取り入れ、限られた車内でも自在なシートアレンジを可能としており、家族での移動時間などさまざまなシーンに合わせ空間を最大活用できます。例えば、前席が全自動でくるりと回転する「対面モード」は、センターピラー構造のこのサイズのミニバン*では技術的に非常に難しい挑戦でしたが、当社の技術ノウハウと、メンバーでアイデアを出し合って実現しました。
また、次世代を見据えたさまざまな先進技術を搭載していますので、シートアレンジのみならず、乗る方の好みに合わせたそれぞれの車内での新しい過ごし方を提案しています。
*ベース車両サイズ:全長4,840mm、全幅1,820mm、全高1,695mm
シートアレンジ例
富岡例えば、「ジグザグモード」は、運転席から助手席、そして後席のシート位置を互い違いに調整するものです。運転中に後席の子どもから「ティッシュ取って」と言われることありますよね。このモードでは、シートの配置がモノを手渡ししやすいようになります。また、後席の子どもの様子を親が確認しやすいですし、逆に子どもから親の姿が見える安心感もあり、縦にコミュニケーションが生まれるシートアレンジです。
子どもが退屈な時は、シートに内蔵されたスピーカーや振動デバイスが、映像や音楽と連動することでより没入感を演出したり、シートがスマホと連動したゲームコントローラーになる機能で、体を動かしながらゲームを楽しめるなど、エンタメ機能が豊富ですので、楽しんでいる間に目的地に到着できます。
もちろん、大人の方にも喜んでもらえる機能も満載です。当社が開発を進めている「ヘルスケアシート」を搭載しているので、座る方の好みによってさまざまな使い方を想定しています。シートに内蔵したセンシング機能とエアセルデバイスを使い、長時間の移動で疲れを癒すリフレッシュ機能はもちろん、理想の姿勢へと改善を促すことで、腰痛ケアをサポートしたりできます。リフレッシュ機能をウォーミングアップの様に使うことで、目的地に到着してから全力で遊んでもらいたいと思っています。
また、女性特有の悩みに着目したフェムテックモードは、エアセルで骨盤の開きを改善するとともに、ヒーターで腰回りをじんわりと温めることで、生理痛を緩和する機能を備えています。シートアレンジのみならず、これらの当社の先進技術を融合させて、移動や待ち時間での車室内空間での新しい過ごし方を可能とした車室内空間です。
富岡今回の展示品の売りでもある、対面モードの実現ですね。他社の一部市販品や、コンセプモデルで対面モードはありますが、調査したところ車両サイズが大きかったり、センターピラーレス構造で車室内の空間を広く活用できるものでした。センターピラーレス構造は、一般的に普及している構造とは異なるため、製造コストが高くなる傾向があると考え、センターピラー構造のパッケージングでの実現にこだわりました。
その実現のために、ロングスライドシートレールを活用しながら、それぞれのシートを前後左右に協調制御させながら動かすことで、限られた空間の中でも器用にシートアレンジすることができています。シートの協調制御やその他の多くの機能を統合的にコントロールできるE C U(電子制御ユニット)(次世代アーキテクチャECUへのリンク)を自社開発したことも具現化に貢献できています。
また、今回の発表会での展示にあたっては、多彩な先進技術を実際の車両の限られた空間に具現化するというところにもこだわっており、車室内全体をデザインしながら、さまざまな機能を連携させる必要がありました。普段の開発では扱わない領域にも取り組んでいるため、多くの開発が同時並行で進んでいました。意図した通りに動いてくれなかったり、動いても他のパーツに干渉してしまったりと、上手くいかないことも多々ありました。イベント数日前にトラブルが発生した時は、かなり冷や汗をかきましたね(笑)
しかし、一緒に開発したメンバーそれぞれが主体的に開発に取り組んでくれたおかげで、なんとか想い描いた展示品を完成させることができました。