

自動車をより快適な空間に
「揺れないシート」の開発に挑戦
開発試験部 実験・研究課 試験の仕事【T.S】 2017年入社
入社の決め手は何ですか?
大学院では機械工学を専攻し、振動に関する研究室で、身体の共振や人体の振動感覚といった人体振動に関する研究をしていました。その研究室では自動車はもちろん、建設機械や家電といったさまざまなメーカーと共同研究を行っていました。研究活動の中で完成車メーカーと関わる機会があり、将来は自分の取り組んできた研究を生かすことのできる自動車業界で働きたいと思うようになりました。就職活動を始めたばかりの頃は完成車メーカーに注目していましたが、自分のやりたいこと、やってきたことを生かして社会に貢献できること、自分の関わったものを身近に感じることができるのはシートメーカーであると感じ、テイ・エス テックの選考を受けました。最終的には、制度面を含めて働く環境が充実していることと、選考を通じて社員の皆さんの人柄の良さに触れたことがきっかけとなり入社を決めました。
現在の仕事内容は?
現在、所属している実験・研究課には大きく分けて2種類の業務があります。一つは機種開発と呼ばれる業務で、完成車メーカーと連携しながら今後発売予定のシートを製品化していく仕事です。具体的には商品性の性能保証や仕様決定を行っています。商品性とは、機構部の操作感や耐久性、座り心地、ヒーターやセンサー類の性能など、安全で快適に使用することができる性能のことです。それぞれに評価項目を設定して試験を行い、製品の仕様や設計にも意志を入れながら、性能が保証されるシートを市場に送り出すことが私たちの役割となります。
そして、もう一つは今後の世の中の動向を調査し、将来必要となる技術や商品を開発していく仕事です。その中で私は、走行時の振動やエンジンからの振動によってシートが共振が、乗り心地に与える影響を最小限に抑えるための研究をしています。シートの振動を抑えていくために、単純に振動だけを考えるのではなく、シートを構成しているフレームや表皮、ウレタンなど全体で考えてシートづくりをしていかないといけないところが難しいのですが、いろいろな分野について知ることができ、日々刺激を受けています。
仕事のやりがいは何ですか?
自分が開発を進めていた製品が実際に形になっていくことです。試作品から実際の形になるまで、一筋縄ではいかないことが多々あります。原理モデルや机上計算、CAEなどのツールを用いて性能の見通しを立てていくのですが、さまざまな困難を乗り越えて、頭の中やレイアウト上でしか存在しなかったものが形になったときは、大いに達成感があり、やりがいを感じます。 また、実験・研究課ではシートの性能保証や仕様決定を行うためにシート全体で評価をする必要があり、幅広い知識が求められます。そのため、特に振動に関わる部分では、大学や研究室で学んできた知識を生かすことができる場面も多く、先輩後輩から頼りにされたときにはうれしさを感じます。