環境貢献技術

環境負荷の低減に貢献する製品づくり

テイ・エス テックでは、車の燃費向上に貢献する製品の軽量化や、より環境負荷の少ない素材を使用した商品開発を進めています。
軽量であることと、安全機能や快適な乗り心地を両立させるために、新機種の開発にあたっては、設計段階から製品を構成する部品一つひとつの見直しや、素材研究・加工技術の進化による部品点数の削減などを行い、常に前モデルからの軽量化を実現しています。
今後も社会的使命である環境負荷の低減を図るため、「環境にやさしい製品づくり」に積極的に取り組んでいきます。

環境対応車への対応

近年、市場シェアが高まっている電気自動車やハイブリッド車においては、部品の軽量化が求められるのはもちろん、その特有のボディー形状やバッテリーのレイアウトなどによって、ガソリン車と比較して車内空間が制限される傾向があります。
テイ・エス テックは、このような条件下においても、車内空間を極力広くするためのシート形状や、ボディへの取り付け構造、乗り心地向上のための研究開発に取り組み、これらを高次元で成立させたシートを製品化しています。

コンパクトカー用1台分の白いシート

軽量化の取り組み

環境負荷低減に最も貢献できる技術として、製品の軽量化に注力しています。例えば、シート重量の多くを占めるシートフレームでは、ニーズの変化に合わせ、安全性や快適性を向上させつつ、さまざまな軽量化技術を投入しています。2020年モデルのホンダFITに採用されたシートフレームは、超高張力鋼板や薄板接合技術の採用拡大により、従来の主力フレーム比約28%の軽量化を達成しており、世界中で多くの車種に採用されています。

旧型シートフレームと新型シートフレームの比較図。新型では横側の骨格部品が新素材となっているのがわかる。
超高張力鋼板採用部品(青色部分)の変遷

サステナブルシート

当社は植物由来原料やリサイクル素材を活用した製品開発に取り組んでいます。
原料を変えることで座り心地の低下が懸念されますが、独自のサポートマットを組み込むなど、「シートの構造全体」で座り心地を補完する、当社だからこそできる技術開発を行っています。

青色のサステナブルシートの写真。植物由来の人工皮革とクッションパッド、座り心地を改善するサポートマットが使用されていると記載されている。

セルロースナノファイバー(CNF)ドアトリム

CNF(セルロースナノファイバー)など植物由来のバイオマス材利用技術による製品含有CO₂量低減にも注力しています。
石油由来材料で造られた従来のドアトリムに対し、植物由来のバイオマス材(樹脂・表皮)を用いることで、製品含有CO₂量を60%低減することに成功しており、量産品への適用を目指しています。

カーボンナノファイバーを材料に作れられたコンセプトモデルのドアトリム。