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社長対談
井上 満夫 <対談> 海野 みづえ氏

ESG経営を推し進め、グローバルな企業ブランドの構築を目指します。

企業全体でINNOVATIVEな姿勢を貫いていく

井上 テイ・エス テックは現在、2017年3月までの第12次中期経営計画の定性目標として「グローバル企業としての地位確立」、さらに2020年ビジョンとして「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」を掲げ、部品競争力世界TOPを目指しています。

様々な取組みを進める中で、ESG(Environmental=環境、Social=社会、Governance=企業統治)を重視した経営によって、テイ・エス テックの企業ブランディングを推進していくことが、今後の成長を牽引する鍵になると思っています。モノづくりにいかにエネルギーを使わないようにするか、造り出した商品をどれだけ低消費電力で作動させるか、また日頃の活動が近隣の迷惑になっていないかなど、今は事業に関わるすべてについて、ESGを考慮して進めるべき時代になりました。ステークホルダーへの影響や、ESGの観点から、どこを自社の重要課題とするかを定め、それにきちんと取組んでいくことがブランディングにつながると考えながら、2020年ビジョンの実現に挑戦しています。

海野 2020年ビジョンに掲げていらっしゃる、「INNOVATIVE QUALITY COMPANY」は、ESG経営と密接に関わっていると思います。その背景には、技術や製品はもちろん、人材や組織体制など、企業全体のINNOVATION(革新)がテイ・エス テックのサステナビリティ(持続可能性)をつくりだすのだというメッセージが含まれていると感じます。やはり、そういった意図をお持ちでしょうか?

井上 その通りです。経済・社会環境の変化のスピードが速く、また一部の地域での紛争をはじめとする不安定な要素も多く、企業経営を取り巻く状況はいつ何が起こるか分からないと言えます。そうした中で、「現状のままを良し」とする姿勢では、環境変化に適応できず、企業として持続できなくなります。現状を常に否定し、今よりもっと良くするためにはどうしたらいいのか?を、製品に直接関わる研究開発・設計・製造だけでなく、それを支える管理系の業務に携わる社員も含めて全員が考える会社になりたい。こうした想いを、INNOVATIVEという言葉に込めました。

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代表取締役社長
井上 満夫(いのうえ みちお)

1977年4月、東京シート株式会社(現 テイ・エス テック)に入社。2002年に取締役開発・技術本部長、2008年にTS TECH NORTH AMERICA, INC.(現 TS TECH AMERI-CAS,INC.)取締役会長に就任。2010年にテイ・エス テック株式会社 代表取締役副社長となり、2013年4月より現職。

株式会社 創コンサルティング
代表取締役
海野 みづえ氏(うんの みづえ)

経営コンサルティング会社においてマーケティング戦略、及び環境ビジネスの構築支援を担当。 1996年に独立、創コンサルティングを設立。環境・サステナビリティ分野に取組むとともに、世界 各国の専門家とのネットワークを構築。日本企業のグローバル戦略に視点を置き、独自の分析眼で ESG、サステナビリティ分野での経営のあり方について、意欲的な提言活動を展開する。

ステークホルダーと関わりながら新しいモノづくりへ

海野 ESG経営を意識しながら中長期的な成長に向けてINNOVATIONをおこしていく、というお話を聞かせていただきましたが、中長期での価値創造を目指すために、テイ・エス テックがどういう方向を見ているのか? また成長や価値創造のためのベースは確立できているのだろうか? という点が大いに気になります。次世代に向けて、すでにスタートされている具体的な取組みとしては、どのようなものがあるのでしょうか?

井上 モノづくりの側面で言うと、商品開発のINNOVATIONとして、2つの取組みを進めています。1つ目は、組織横断で若手社員を集めた「座ラボ」というチームです。シートの基本機能である『座る』を科学し、哲学しながら、これからの製品のあり方を探求しています。2つ目は、技術部門の先鋭的な人材を集めた「感動・魅力商品創出プロジェクト」です。社外の専門的パートナーとも協力しながら、既存の概念を超えたモノづくりに挑戦しています。このうち「座ラボ」の活動成果は、「座フォーラム」という独自イベントで発表したりコンセプトモデルとして東京モーターショーに出展するなど、すでに社会に向けて発信しています。

「座フォーラム」は、テイ・エス テックの事業活動を広く知っていただくとともに、異分野の第一線で活躍する専門家の知見に触れて、社員が自らをINNOVATEすることも狙いです。イベント開催後の懇親会における、日頃の業務ではやりとりする機会のない幅広い皆さまとのオープンなコミュニケーションも、よい刺激となっています。

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座フォーラム2014

海野 BtoBのビジネスを行うテイ・エス テックが、「座フォーラム」のような場をつくり様々なステークホルダーとの結びつきを求めたり、東京モーターショーなどの機会を捉えて、研究開発の成果を広く発信するのは、非常に意義深いと思います。直接の顧客である自動車メーカーにとどまらずに、その先にあるエンドユーザーのニーズを意識することで、社会の要請に配慮するサステナビリティを創りだすからです。

次のステージとしては、自分たちの研究成果を一方的に市場に問いかけるだけではなく、エンドユーザーからの声を受けて、それを製品開発に組込むといった活動を検討されてはいかがでしょう? そうすることで、ESG経営におけるS、つまり社会性から見たテイ・エス テックの提供価値がより高まっていきます。

井上 現在、私たちのモノづくりは、ウェブを活用したアンケートでエンドユーザーの声を聞いたり、顧客満足度に関する権威ある調査として知られる米国J.D. パワーのシート品質/満足度調査のラグジュアリーカー部門で第1位の評価を受けることなどで、市場との関わりを持っています。しかし将来へ向けて、もっと企業ブランドを磨いていくには、市場との新しい関わり方も探っていかなくてはなりませんね。

真のグローバル企業へ進化するための
「TSフィロソフィー」教育

海野 製造業では、モノづくりのINNOVATIONに限った発想になりがちですが、技術や製品に関連した課題以外では、どんなポイントを重視されていますか?

井上  企業全体を支える組織や人材のINNOVATIONです。グローバル企業として成長していくための重要な基盤として、「TSフィロソフィー」の教育に力を注いでいます。今、テイ・エス テックグループは、世界14カ国に展開し約1万6千人の社員が活躍しています。その全員がグループの一員であるわけですが、国・地域によって事業環境も違いますし、社員の人生観や仕事に対する価値観や生活習慣も同じではありません。多様ゆえに社員の意識に共通した想いがないと、「製品を通した価値の提供」「地球環境に配慮したモノづくり」「地域社会への貢献」などの実現は難しく、ステークホルダーから、その存在自体を期待され喜んでいただけるテイ・エス テックとして成長していくことができません。

組織や人材が競争力を発揮するには、多様性を尊重するフィロソフィーが必要なのです。「TSフィロソフィー」教育は、日本国内では以前から行っていましたが、2015年からは海外の現地法人を対象とした取組みを本格的に始めました。

海野 テイ・エス テックが、企業全体のINNO-VATIONへの道をさぐり、「TSフィロソフィー」の大切さを社長が自ら世界中の社員に問いかけていることは、とても興味深いと思います。

「J.D.パワーのシート品質/満足度調査のラグジュアリーカー部門で第1位の評価」
「J.D.パワーのシート品質/満足度調査のラグジュアリーカー部門で第1位の評価」
出典:J.D. パワー2015年米国シート品質/満足度調査のラグジュアリーカー部門において、シート・サプライヤーの中で、テイ・エス テック株式会社(Acura RLX)は最も高い評価を受けた。調査は52車種と14のサプライヤーに対する84,367名の米国の消費者の回答による。調査は2015年2?5月に実施された。詳しくはjdpower.comへ。

井上 仕事に対するフィロソフィーを同じにしなくては、テイ・エス テックが全社でINNOVATIONをおこしながら、真のグローバル企業として成長し、部品競争力世界TOPを実現することはできないのです。

とはいえ「TSフィロソフィー」の浸透には、時間がかかります。言語や文化の壁を乗り越えていかなくてはならないからです。例えば、当社では「TSフィロソフィー」の冒頭に企業理念として「人材重視」「喜ばれる企業」を掲げていますが、「人材重視」を単純に翻訳して職場に貼り出したとしても、そこに込められた意味や具体的に求められる行動までは伝わりません。そこで研修の機会を設け、「TSフィロソフィー」の本質的な意味を各地に浸透させる人づくりに取組みました。

海外の現地法人各社からマネージャークラスの人材を選抜して日本に来てもらい、「それぞれの現地の社員にTSフィロソフィーに共感し行動してもらうには、どういう表現で何を伝えるべきか?」について相当の時間をかけて議論し、持ち帰ってもらいました。「TSフィロソフィー」を受け入れてもらうためには、押し付けではなく、ダイバーシティの尊重が欠かせないという考え方によるものです。

2016年からは、日本での研修を受講したリーダーたちが先生役になって、米州・中国・アジアの各地で、社員一人ひとりへの「TSフィロソフィー」教育を進めています。同時に、私からのメッセージビデオを各国語に翻訳して配信するなど、日本からもサポートに努めています。

海野 「TSフィロソフィー」が世界中のグループ会社に浸透すれば、「日本人が赴任して現地法人を経営する」という旧来の海外展開のスタイルから脱却できます。現在、多くの企業で「グローバル人材の育成」「経営のグローバル化」がよく取り上げられますが、フィロソフィーという、経営の本質と向き合うことがベースと言えます。「TSフィロソフィー」教育のような活動は、成長戦略の基盤づくりとして、積極的に社外に伝えていくべきではないでしょうか?

テイ・エス テックはBtoB企業ですが、例えば、「TSフィロソフィー」教育をエンドユーザーなどのステークホルダーにアピールすれば、企業ブランドの構築につながることが期待できます。

井上 情報発信は、エンドユーザーとコミュニケーションする機会の少なかった私たちの弱い部分ですが、ステークホルダーを重視した経営を進めるには、強化していく必要がありますね。

海野 「TSフィロソフィー」を共有するための教育や、先ほどの「座ラボ」のような、ステークホルダーと交流しながらのモノづくりなどの活動は、事業戦略へのESGの組込みと言えますし、個別の製品に対しての評価とは別の、テイ・エス テックという企業に対しての評価、まさにブランドに結びつくものですから、積極的に発信してください。「社員が会社に対して愛着を持っている」「しっかりしたモノづくりをしている」「市場の声を熱心に聞きながら開発にまじめに取組んでいる」、そうした自社の姿を1つひとつ伝えていくことがテイ・エス テックへの信頼となり、ブランディングにつながります。

井上 確かに、ブランディングとは、それらの積み重ねだと思います。ご提言をお聞きして、テイ・エス テックのブランドを構築し企業価値を向上させるためには、ステークホルダーとより深く対話しながら、取組むべき活動を体系的に整理し、それを着実に実行していかなくてはならない、という想いを強くしました。

本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

社長対談

「人材重視」の各国語

  • インドネシア語:
    Titik berat pada SDM
  • スペイン語:
    Respeto a los recursos humanos
  • タイ語:
    ?????????????????????????????
  • ドイツ語:
    Wichtigkeit von menschlichen Ressourcen
  • ポルトガル語:
    Valorizacao dos recursos humanos
  • 英語:
    Due regard to human resources
  • 広東語: 重視人才
  • 北京語: 重?人才
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