テイ・エス テックグループでは、安全・環境・魅力に考慮した商品開発や品質管理に、グループ一丸となって、取り組んでいます。今回は、それぞれの項目に根差したテイ・エス テックの価値の創出ストーリーをご紹介するとともに、現在取り組むべき課題や今後の目指す姿などにも触れていきます。

エクサライドシート運動不足 自動運転化社会

運転しながらエクササイズ

新しい「座る」の価値創造をコンセプトに、若手社員チーム「座ラボ」によって構想から開発まで行われた「エクサライドシート」は、座った人の体格や姿勢パターンを認識し、シートポジションを最も快適な位置に自動調整。ドライバーに現状の姿勢の課題をお知らせし、理想の姿勢へと促します。さらに、座るだけで運転状況に応じたエクササイズを実施し、運動不足解消の一助になるシートを開発しました。乗員情報を基に、運転への影響を及ぼさないエクササイズ機能を追加しました。

シートの座面部には、骨盤を動かす装置が内蔵されており、乗員にツイスト(停車時)またはスイング(安定走行時)の体幹運動を促します。この運動は、運動強度レベル3に当たり、体重65kgの成人男性の場合、テイ・エス テックが想定した運転状況下において、30分の運転で約100kcalを消費することが確認できています。今後、完全自動運転社会の到来とともに、要求される室内空間への新たなニーズについても積極的に開拓していきます。

エクサライド(Exer-Ride)の名称は、
エクササイズ(Exercise)と
ライディング(Riding)を
掛け合わせて誕生

主な特長

  • 快適ポジション補正機能
  • 理想姿勢の提案機能
  • エクササイズ機能

エクサライドシートの開発に携わった「座ラボ」研究生たち

新素材「FLEST」®(フレスト)環境問題 軽量化

環境にやさしく、ヒトにもやさしい製品づくり

フレストはテイ・エス テックと表皮メーカーのオカモト株式会社が共同開発した素材で、PVC※1としては軽さと自由自在な意匠性を兼ね備えていることから、業界でも注目されています。フレストは、テイ・エス テックの長年の部品開発で培われたノウハウを活かし、完成品の品質はもちろん、作り手の仕立てやすさにも配慮して作られました。

近年、環境配慮が謳われる自動車産業において、部品メーカーであるテイ・エス テックもシートフレームの軽量化にとどまらず、フレストをはじめとするシートの表皮開発など環境に配慮したサステナブルな製品開発を行っています。フレストはシート表皮のみならず、今後はドアやコンソールなど幅広い内装パーツへも展開予定であり、さらなる利用の拡大が期待されています。

材料開発課 任用研究員
古田 愛

主な成果

  • 軽量化:環境配慮および燃費向上への貢献
  • 耐久性:丈夫で汚れにくい性質
  • 意匠性:革の質感の再現やパンチング※2など
          さまざまなデザイン・色に対応
  • 仕立てやすさ:製造過程での使いやすさを実現

※1 PVC(polyvinyl chloride):ポリ塩化ビニル
※2 パンチング:革に穴を開けたり型押しなどを施して、模様をつくること。

ソフトな感触と丈夫さを併せ持つ

ホンダ N-BOXスロープ仕様ライフスタイルの多様化 高齢化社会

あらゆるステークホルダーの快適さと利便性を追求

2018年4月に発売されたホンダN-BOXスロープ仕様には、通常仕様と併せてテイ・エス テックが開発したリアシートが搭載されています。「N-BOXは普段使いとしても、福祉車両としても快適で便利であるべき」との完成車メーカーのご要望に沿える製品を目指し、開発を進めました。リアシートに座る乗員の乗り心地と、シートを倒して車椅子がしっかりと固定される安全機能の両立を実現しました。本機種ではテイ・エス テックにおいて初となる、これまでのシート設計にはなかった、電動ウインチに対応したシート設計が行われました。

エンドユーザーや、自動車を取り巻く利用環境の多様化に伴い、自動車の機能性にはさらなる充実と革新が求められています。それに際して、シートとしての機能性はもちろん、さまざまなご要望に適応した製品づくりに励んでいきます。長きにわたり福祉車両などの特殊なシート開発にも携わってきたテイ・エス テックは、1999年にはパラマウントベッド株式会社(医療チェア)への技術協力をはじめ、あらゆるユーザーが快適・便利に利用できる製品づくりを目指し、日々研究を行っています。

設計課
砂庭 翔太

主な特長

  • 汎用性:乗り心地よく、車椅子も安全に支えるシート
  • 危害性:シートアレンジの際、ユーザーが手を傷めない
          設計
  • 利便性:簡単なシートアレンジ、車椅子を載せる準備を
          もっと手軽に

販売店の声

ホンダカーズ栃木
インターパーク店

(オレンジディーラー)
尾関 翔一 様

お客さまに自信を持って勧められる製品です

2018年4月の発売開始から現在(8月)までに、国内で1,200台を売り上げるスロープ仕様は、特に介護を必要とするお客さまにご好評いただいています。シートの乗り心地はもちろん、「前のモデルよりも車椅子を載せるまでの準備がずいぶん楽になった」という声をよく聞きます。

また、従来のNシリーズで車椅子を載せる際は、シートアレンジが少し複雑で説明するのが難しく、“ 営業泣かせ” なところも正直ありました。新型ではシートアレンジ操作が半分以下に減ったことで、お客さま(エンドユーザー)にもわかりやすく説明できるようになり、たいへん助かっています。

有人宇宙船シート産学連携 安全技術

クルマから宇宙へ:新領域に活きるテイ・エス テックの安全評価法

有人宇宙船シートは、産学連携の一環として2014年1月より始まったJAXA(宇宙航空研究開発機構)との共同研究の成果の一つです。テイ・エス テックの、クルマの衝突に関わる人体への傷害値解析・評価技術を応用し、宇宙航行中における乗員の安全を守る宇宙技術研究に参画しました。本研究を通じて、テイ・エス テックは新たな設計知見を獲得しました。

この研究から得られた有人宇宙船における乗員安全評価法と、その基礎となる物理モデルをベースとしたシートコンセプトを、2017年11月の東京モーターショー2017で展示しました。また、2018年1月、国家課題の解決や国際協力の向上に向けた産学連携の成果報告会「東京大学-JAXA社会連携講座シンポジウム」が開催され、東京大学とJAXA、そしてテイ・エス テックを含む民間企業が共同で取り組んだ宇宙開発分野での研究結果が発表されました。テイ・エス テック開発チームも登壇し、本研究に関する報告を行いました。

シート:特許6件を出願済み
(JAXA研究開発部門と共同)

主な成果

  • 自動車安全設計のパラメーターとして適用
  • 軽量化技術(CFRP※1/アルミ)
  • ダンパーを使用した人体安全性設計
     (約80Gの衝撃を10Gに減衰させる構造)
  • 宇宙航行中の爆発および海面着水時の衝撃を分散させる
      シート構造
  • FEM解析※2技術の向上

※1 Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック
※2 Finite Element Method:有限要素法と呼ばれる数値解析手法の一つ。

コンセプトシート試験

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